高収入のイメージがあるコンサルタントへの転職だが…(写真:イメージマート)
コンサルティング業界への就職や転職に関しては「高収入」が魅力として語られることが多いが、他業種からの転職の場合、「当初は前職より年収が減るケースもある」とコンサル転職エージェントは言う。コンサル業界への転職者が直面する収入の変化について、フリーライターの清水典之氏がレポートする。
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“コンサル転職”が一種のブームになっている。高収入に惹かれて、コンサルタントへの転職を志す人は多いが、実際にどれくらい年収は上がると考えられるのか。
上場しているコンサルティングファームが公開する有価証券報告書から全従業員の平均給与を参照すると、年収トップクラスの企業で1300万円前後、下位のほうでは600万円前後と倍以上の差がある。
他業界からコンサルティング業界に転職した場合、年齢やキャリア、本人の能力などによって給与が決定されるため、公表されている平均額になるとは限らない。現職の年収次第だが、なかには転職で年収が下がってしまうケースもあるのではないだろうか。
『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』(ダイヤモンド社)の著者で、コンサル業界への人材紹介を手掛けるムービン・ストラテジック・キャリアのシニア・パートナー、久留須親氏はこう言う。
「コンサルティングファームには、コンサルタントのランクごとに給与テーブルがあります。一般的に、アナリスト、コンサルタント、シニア・コンサルタント、マネージャーとランクが上がっていきますが、未経験で20代で入社した場合はアナリスト、30歳前後だとアナリストかコンサルタント、30代半ばだとコンサルタントとして採用され、給与テーブルに従ってオファー年収が決まります。
未経験で20代半ばにアナリストとして転職した場合、戦略系ファームだと年収600万〜800万円くらい、総合系ファームで500万〜700万円くらい、30歳前後でコンサルタントとして転職した場合、戦略系ファームで年収800万〜1000万円くらい、総合系ファームで年収700万〜900万円くらいが一般的です」