倹約することも大切だが…(イメージ)
生きていく上で大切なのが金銭感覚。収入に反して金遣いが粗ければ生活は破綻するが、ケチケチしていれば人間関係に亀裂を生みかねないこともある。お金を持っているならばケチケチする必要はないようにも思えるが、それを改める必要があるかどうかは、つまるところ本人次第だ。「お金持ちなのにケチ」というスタイルを考え改めた人たちの、リアルな実情に迫った。
「(1)周囲からケチだと見られていて、(2)それが本人の評価に影響しており、(3)本人がそれを気にしている──といった事情があるなら、改めたほうが得策でしょう」というのは、都内在住のYさん(40代/男性)だ。“超がつく資産家ながらケチだった”という友人のAさんについて、Yさんが証言する。
「世の中には金持ちと呼ばれる人がいますが、Aはホンモノの金持ち。老舗企業の御曹司で、公表されている持ち株の時価総額だけでも資産は20億円以上あります。ただ、周囲に気前良く振る舞うことは一切ありません。友達と飲む時はいつもチェーン居酒屋で、支払いもきっちり割り勘です。友人はみな『金持ちなのにケチなんじゃなくて、ケチだから金持ちなんだよ』と話していました。
そんなAの評価が一気に下がったのは、彼の結婚披露宴での事件です。会場は超一流ホテルで、400人以上が集まる盛大な式でしたが、食事の量は少なく、引き出物も酷くて唖然。カタログギフトの内容があまりにしょぼいので、ネットで検索すると1500円のものでした。友人たちも同じ感想で、『あの引き出物酷くない?』『あんな安いカタログギフトあるんだ』と、悪口でひとしきり盛り上がりました」(Yさん)
一般的に引き出物の相場はご祝儀の1割程度と言われる。Yさんが包んだのは3万円だった。そこでYさんが冗談交じりにクレームを言うと、Aさんは謝罪の場を設けた。
「Aは引き出物について『仕事関係の人に安い物は渡せないから、しわ寄せが友人の方に行った』、食事の量が少なかったことについて『年配の参列者が多かったから』と説明。こちらも本気で怒っているわけではないので、話をお終いにしようと思ったら、『お前たちより嫁さんがもっと怒ってるんだよ……』と、ため息をつくんです。
奥さんは、式に招いた友人から『旦那さんはものすごいお金持ちだって聞いたのに、料理や引き出物が酷かった』とバカにされ、『大恥をかいた』と激怒。奥さんが『もう地元の友達には二度と会えない』と言っているのを聞いて、ようやくとんでもないことをしたと気付いたようで、それ以降、ドケチぶりは少し改まりました」(Yさん)