ハードルの高さゆえ足が遠のくユーザーも
射幸性の高いLT3.0プラス機は、“当たったら大きい”という意味で、ユーザーにとって魅力的だ。しかし当たるまでのハードルの高さは、ユーザーにとってデメリットでもある。都内に住む会社員のAさん(50代男性)は、LT機が登場してからパチンコ店に行く頻度が下がりつつあると話す。
「何十年もパチンコを打っていますが、基本的に甘デジ(大当り確率が高く、射幸性が低い機種)を打つこともなく、スペックの高い機種が好き。射幸性が高い機種が好きだったんですが、最近のLT機はあまり好きになれないんですよね。というのも、大きな出玉を取るまでにかなりのお金がかかってしまう。初当たりを引いてもLTに入らないと出玉が増えないという機種も多く、ただただ現金投資が続くということも少なくない。
『e牙狼12』にしても、約1/437の図柄揃いの後1/2を2回通さないとLTに入らないというのは、あまりにも難しい。延々とLTに入らず、時間が過ぎていくこともあります。そういう機種を打っていても“どうせ当たらない”という気持ちになって、楽しくない。最近はパチンコを打つ頻度も下がってきました」
高射幸機の登場によって、ユーザーの動向にも変化が起きている。前出の藤井氏はこう話す。
「LT3.0プラス機などの高射幸機は、ユーザー1人が打つ時間が短くなる傾向にあるという統計が業界内で話題になっています。背景にはやはり“当たりにくい”ことが影響しているのでしょう。ユーザーは、“とりあえず1回当たるまで打ってみよう”と思うものですが、大当り確率が低く設定されていると“とりあえず1回当たるまで”のハードルがものすごく高く感じてしまい、途中で諦めてしまいがちです。ユーザーにしてみれば、その機種の楽しい部分、つまり大当たりを体験できていないので、リピーターになる可能性も低くなるでしょう。
そういった機種は、導入初期こそ話題性があるものの、長期にわたる人気機種にはなりにくく、安定した集客からは程遠い機種となってしまう。パチンコやパチスロでは、射幸性が高い機種ほど人気になりやすいとはいえ、射幸性が高すぎると敬遠されてしまうこともある。LT3.0プラス機は、すでにその傾向が見え始めているということです」