「新NISA」や「iDeCo」も自分資産づくりの一助に(写真:イメージマート)
厚労省の「国民生活基礎調査」(2024年)では、55.8%もの高齢者が「生活が苦しい」と答えた。女性が“老後貧乏”にならないためには、夫や子供をあてにせず自分ひとりでも暮らせるだけの資産をつくっておくのがいちばん安心。何があっても、誰も頼らなくても生きていけるようになれば、何も怖くないはずだ。【女性のための「自分資産」の作り方・第2回】
「へそくり運用」は隠さず堂々と
老後生活の頼りになるのは年金だが、仮に繰り下げて増やしたところでそれだけでは不充分。やはり自分資産は「もらう」だけでなく「増やす」ことも必要だ。
手元のお金を増やすには「新NISA」や「iDeCo」が有効だと話すのは、プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんだ。
「正社員として働く女性の平均的な年収である約400万~500万円ほどを稼いでいる場合、月5万円ほど積み立てるのが理想的。新NISAで年平均4%で10年間運用(積立合計600万円)できれば、約750万円の老後資金をめざせる計算です。
まとまった貯蓄があるからといって、大きな額を一気に積み立てるのは危険。特に投資初心者なら、欲を出すのは御法度です」
ある程度の貯蓄や年金額に余裕があるなら、投資で一気に増やそうとせず、銀行の預け先を見直すことが大切。金利が復活してきたいま、比較的金利の高い銀行に預け替えしよう。
一方、収入が少ない人や専業主婦の場合も、月5000円や1万円でも、できるだけ早く運用を始め、長く続けることで、自分資産づくりの一助になる。だがこの場合、問題は運用の元手づくりだ。
「生活費を節約して捻出したへそくりを運用に回すのは要注意。それが夫の稼いだお金なら、へそくりとして貯めていた場合はもちろん、運用で増やした分も、夫婦の共有財産なので、離婚や相続の際はトラブルのもとになります。
運用の元手にするなら、夫婦でも贈与契約書を交わし“夫公認のへそくり”として自分のお金を持つといいでしょう」(三原さん)
