好きなアニメがパチスロ化されたことをきっかけに、ホールに通うようになったというのは、都内に住む会社員Dさん(30代男性)だ。
「大学生の時にアニメの『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、まどマギ)にすごくハマっていて、そのパチスロができるときいて、パチンコホールに行ったのがきっかけです。そのとき、パチンコやパチスロにまったく興味がなく、とりあえずまどマギの台が入っていると書いてあるホールに入ったら、まどマギの台が空いていなくてガッカリしたのを覚えています」
まどマギ目当てでパチスロを始めたDさんだったが、そこから猛勉強したという。
「何回かホールに足を運んで、やっと初めて打てた時に、あっという間に1万円がなくなったんですよ。こんなにも早くお金が消えていくのかと、ちょっと信じられなかったんですね。でも、そこからパチスロの出玉のシステムやら、ホールの選び方やら、ネットで調べまくりましたよ。知りたい情報は、ほとんどネット上にありました。
それからは、普通にいろいろなパチスロを打っています。今やアニメよりもパチスロの方が好きかもしれないくらいです」(Dさん)
そんなDさんは、パチスロユーザーであることを周囲の友人や家族に隠している。
「単純に私の周りにパチンコやパチスロを打つ人がいないというのもあるんですが、パチンコ・パチスロに対してよくないイメージを持っている人もいるじゃないですか。私は借金もないし、娯楽の範囲内で楽しんでいますが、家族から『依存症になってないのか?』なんて心配されるのも嫌ですし、パチンコ・パチスロに明るくない友人に『あの人はギャンブルにハマっている人』と見られるのもあまりうれしくないので。
個人的な感覚からすると、パチスロは1人で没頭できるから楽しいという部分もあるんです。誰かと一緒に楽しみたいという気持ちも一切ないし、だからこそ自分がパチスロユーザーであることを知られていないのは好都合。誰からも干渉されず、密かな楽しみとして続けていきたいです」(Dさん)
かつては、誰かに誘ってもらって始めることが多かったパチンコ・パチスロだが、今では1人でも始められる娯楽となっている。パチンコ・パチスロユーザーを増やすためには、こういった“1人ユーザー”を開拓していくことが重要なのかもしれない。
前編記事【年代によって傾向が異なる“パチンコを始めたきっかけ” かつては「友人や家族に誘われた」が多数、若年層ほど「1人で始める」が増加、「推し活」の影響も】では「パチンコを始めるきっかけ」の傾向が年代によって異なる理由について、詳しく分析している。