金利上昇が住宅ローンの見直しを検討する機会に
日銀が12月19日の政策決定会合で利上げの観測が高まっている。家計への影響として大きいのが住宅ローンだ。金利上昇が見込まれる中、住宅ローンをどのように考えればよいか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第170回は、「住宅ローンの見直し」について。
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いま、日本の住宅ローン金利に大きな変化が起きつつあります。これまで長らく固定金利より「安いから」と選ばれてきた変動金利ですが、ついに変動型の住宅ローンの金利にも上昇の波が及び始めました。
背景にあるのは、日銀によるマイナス金利政策の解除と、その後の利上げです。2024年3月以降、短期金利がじわじわと引き上げられたことで、変動金利の基準となる短期プライムレートも上昇。各銀行はこれを受け、これまで0.4~0.5%台だった変動金利を0.7~0.9%ほどまで引き上げてきました。
変動金利は、日銀の金融政策の影響をダイレクトに受けます。2025年12月現在では政策金利は0.5%ですが、12月19日に開催される政策決定会合で利上げが行われるとの予想が優勢です。そうなれば、さらに住宅ローンの変動金利が引き上げられる可能性は十分あります。
では、変動金利で借りている人はどうすればよいのでしょうか。まずやるべきは、自分のローン条件を再確認すること。現在の適用金利はいくらか、残りの返済期間はどれくらいか、そして今後金利が上がった場合に返済額はどこまで増えるのかを試算してみましょう。
