DeNAは少人数の「タイニーチーム」導入を計画(イラスト/井川泰年)
業績は悪くないのに退職者を募る「黒字リストラ」に取り組む企業が増えている。その背景には何があるのか。経営コンサルタントの大前研一氏は「黒字リストラ」が広がる一方で、若者の学習スタイルや働き方に変化が現れていると指摘する。その変化について、大前氏が解説する。
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「黒字リストラ」に取り組む企業が増えている。
東京商工リサーチの集計によると、2025年1月1日~11月10日に「早期・希望退職」を募集した上場企業は41社で、そのうち7割近い28社は直近決算期の最終損益が黒字だった。3期連続最高益の三菱電機をはじめ、パナソニックHD(ホールディングス)、三菱ケミカル、明治HD、オリンパスなどである。
リストラの主な対象は中高年だ。三菱電機は53歳以上、パナソニックHDは勤続5年以上の40~59歳と64歳以下の再雇用者、三菱ケミカルと明治HDは50歳以上。もともと50歳以上は「役職定年」で収入半減の憂き目に遭っている社員も多いが、これらの企業が黒字でも人員削減を進めるのは、年齢層の適正化や中長期的な競争力強化のためである。言い換えれば、日本における「第2の波」の工業化社会と年功序列・終身雇用の日本的経営が完全に終わったということだ。
工業化社会では、日本企業の製品が弛みない品質向上や軽薄短小化、コストダウンによって世界を席巻した。その中でサラリーマンは先輩や先進企業から学んで生産性を向上し、より良いものをより安く作る努力をしていればよかった。
しかし、大半の日本企業は情報化革命による「第3の波」に乗り遅れて間接業務の人員を削減できず、さらにAI(人工知能)・スマホ革命による「第4の波」の入り口で立ちすくんでいる。つまり、日本は「第2の波」で止まっていたわけで、その特徴は賃金を上げていくと競争力を失うということである。だから日本の1人あたり賃金は30年以上も上がっていないのだ。この問題を解決するための構造改革に(遅きに失したものの)ようやく各企業が本腰を入れ始めたのである。
一方、そういう変化を見た若者たちのトレンドが、大きく2つの方向で変化してきている。
1つは、4年制大学の人気低下である。全国的に4年制大学は学生が集まらなくなっているのだ。その理由は、4年間の前半2年間の教養課程が高校で学んだようなことを繰り返す無駄な期間だからである。しかも、大学で教えていること(とくに文系)は社会に出てからほとんど役に立たない。ならば、4年制大学よりも2年間で専門的なスキルを身につけられる専修学校や専門学校に進んだほうが人生の役に立つと考える傾向が強くなっているのだ。
ということは、4年制大学は無意味な教養課程がない2年制にして「稼ぐ力」を身につけられるスキルを教えるべきだと思う。
実際、私が学長を務める「BBT(ビジネス・ブレークスルー)大学」が提携しているオーストラリアの「ボンド大学」(スモールカレッジのランキングで世界8位)は、夏休みなしで集中的な授業を行なうことにより、ビジネス学士課程が最短2年間で卒業できるようになった。MBA(経営学修士)も最短1年4か月で取得可能だ。
