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住まい・不動産

「自治体は何もしてくれない」倒壊の恐れがある“放置空き家”、所有者不明や相続人多数で何も決められない状態…どのような対処法があるのか《弁護士が解説》

 他方、民法では裁判所が利害関係人の請求により、必要を認めたときは、所有者不明の建物であれば所有者不明建物管理人を選任する管理命令を出し、所有者による建物管理が不適当であることによって他人の権利、又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害される恐れがあれば管理不全建物管理人を選任して管理を命じることができ、いずれも選任された管理人が裁判所の監督のもと、適切な管理を行なう制度があります。

 倒壊などの危険が隣家に及ぶ場合には、あなたのように隣家自身が利害関係人として、これらの管理命令を請求できますが、管理人の報酬に充てる費用を予納金として裁判所に納める必要があり、民間人にはネックになります。

 それでも『空家特措法』では、市町村長が所有者不明建物の適切な管理のため、特に必要があると認めたときは所有者不明建物管理命令を裁判所に請求でき、他にも管理不全空家等、又は特定空家等につき、その適切な管理のため、特に必要があると認めたときは、同じように管理不全建物管理命令を裁判所に請求ができると規定されています。従って、調査をしても所有者がわからないとか、相続人が多すぎるからというのは、単なる言い訳にすぎません。

 管理が疎かな空き家により、防災や衛生面等に深刻な悪影響が地域に及ぶ恐れがあることを自治体に説明し、適切な措置を講じるよう粘り強く求めるべきです。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2026年2月27日・3月6日号

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