中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

ネットメディアのギャラ事情、4年前と今の違いは?

 確かに2013年あたりまで、「ネットは記事1本で3000~5000円」といった風潮があった。また、紙メディアでボツになった原稿を出す場所としてのネットがあり、その場合のギャラはゼロということもあった。編集部の言い分としては「この件について一応に出してあげたし、あなたの署名も入れるので勘弁してね」というものだ。せっかくの取材ネタをお蔵入りにするのももったいない、取材対象者に申し訳ないということで、ノーギャラでの執筆も受けることもあった。

 そんな時代を経て、私自身も今驚いているのだが、ネットメディアのギャラが上がってきているのを実感している。紙メディアの場合、これまで私が経験した署名原稿1本のギャラは、1万5000~25万円である。ちなみに10万円超の場合は、相当な文字量になるのだが、売文屋としては実に満足のいく金額である。私の場合、大学生時(1993年)のバイト経験が報酬感覚のベースになっているようなところがあり、引っ越し屋での時給941円という金額を上回っていればそれなりに「おいしい仕事」と考える短絡的人生を過ごしている。

 その意味で言うと、紙メディアのギャラは実に高いように思えるが、ネットメディアのギャラも上がりつつあるのだ。もちろん、私自身がネットに詳しいライターとして認知されるようになり、多少なりとも評価してくれる発注主が増えたということもあるが、昨今、私がウェブメディアでの執筆依頼をされた場合、1本1万円以下はほぼなくなってきた。ある時は、「1本7万5000円」をオファーされ、あまりにも恐れ多く5万円に下げてもらった経験さえある。

 私の場合、ネットメディアの原稿執筆だけでなく、取材を受けることもあるが、その時の取材謝礼は5000~1万円が普通である。まさに紙メディアレベルの金額になっている。そして、先日仰天したのが、1時間30分ほどの取材・撮影で5万円もくれるメディアが登場したことだ。

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