80兆円規模の「対米投資」は日本に何をもたらすか(撮影:五十嵐美弥)
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃で口火が切られた、中東における武力攻撃の応酬。出口が見えないなか、戦火のさらなる拡大が懸念されるが、近年アメリカとの貿易戦争が続いてきた中国との関係は今後どうなるのか。そして米中関係の行方は、80兆円を超える規模の対米投資を計画する日本にどんな影響をもたらすのか。
新刊『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』(文藝春秋刊)が話題の元衆議院議員・投資家の杉村太蔵氏は、「“脱中国”のサプライチェーンを築くパートナーとして日本が選ばれた」と肯定的に評価する。
トランプ大統領の狙いは
外資系証券会社に2年間勤務した経験と国会議員として得た知識から、杉村太蔵氏が編み出したのが、“経済財政諮問会議の「骨太の方針」を読み解いて、社会課題の解決のために政府が支援しようとしている分野の株に投資する”という手法である。その詳細をまとめたのが、2026年1月に上梓した『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』(文藝春秋)だ。
同書で杉村氏は、アメリカの覇権国家としての地位を奪おうとしている中国に対抗して、アメリカはサプライチェーン再構築などのパートナーとして日本を求め、伝説の投資コンサルタント・齋藤ジン氏の著書『世界秩序が変わるとき』(文春新書)を引きながら、アメリカはカジノのオーナーとして〈「日本を再び勝たせる席に座らせる」というのです〉と述べている。アメリカの狙いについて、杉村氏はこう読む。
「トランプ大統領は、アメリカの工業を復活させたい。そして日本はアメリカとの関税交渉のなかで、昨年7月に石破茂首相(当時)が日本円で80兆円規模を投資すると表明しました。そんなとんでもない額をと物議を醸しましたが、トランプ大統領が求める化学や発電などのプラントや港湾インフラの技術、それらの運営ノウハウは日本企業がもっとも得意とするところです。
中国に依存せず、自前で完結できるサプライチェーンの構築と再工業化をはかるうえで、日本をパートナーに選び、積極的に投資してくれと言っているわけで、これは日本企業にとって非常に大きなプラスになると私は考えています」(杉村氏・以下同)
