自身の投資術を詰め込んだ新著は発売1か月で7万部に(撮影:五十嵐美弥)
日経平均株価が5万円の大台を突破した大きなきっかけは「責任ある積極財政」を掲げた高市政権誕生(昨年10月)だった。その後の解散・総選挙で自民党が記録的な圧勝を遂げると、株価はさらに上昇。2月27日に5万8850円の過去最高値を記録する。次なる大台の6万円台が視野に入ろうとしたその矢先、イスラエルとアメリカがイランへ武力攻撃を開始。事態の長期化も懸念されるなか、世界の金融市場は混乱し、先行きが見えにくくなっている。
そのような時こそ個人投資家に必要なのは、目の前の株価の上がり下がりに惑わされない、筋の通った投資方針なのかもしれない。新刊『杉村太蔵の推し株「骨太」投資術』(文藝春秋刊)が話題の杉村太蔵氏が、投資歴14年の経験と実績から導き出した投資術について語る。
「投資家・杉村太蔵」が誕生するまで
元衆議院議員で、現在、情報番組等でコメンテーターを務める杉村太蔵氏が株式投資の著書を出したと聞くと意外に思う人がいるかもしれないが、実は杉村氏の投資家歴は10数年に及ぶ。
国会議員になる前の2年間は、外資系証券会社に勤めていた経歴を持つ。筑波大学を中退後、派遣社員として清掃会社で働いていた頃に、派遣されたビルに入っていた外資系証券会社の社長に気に入られ、入社したという。
2005年に自民党から出馬し、国会議員になったが、2009年に1期で任期を終えた。タレントに転身し、コメンテーターの仕事をしていた頃の2012年11月、当時の野田佳彦首相が安倍晋三自民党総裁との党首討論を経て解散に踏み切ったときに転機があったという。
「『政権交代が来る!』と確信し、生活資金以外のすべてを輸出関連株と日経225ETF(上場投資信託)に投資し、レバレッジをかけたFX(外国為替証拠金取引)で円売り・ドル買いをした結果、合わせて数千万円の利益を挙げたのです。株だけでなく不動産も上がると思ったので、そのお金を頭金にしてマンションを購入しました。想像以上の値上がりとなった5年後に売ると、2億円近い売却益が出た。それを元手に、故郷の北海道旭川市で商店街の再活性化事業に取り組みながら、今も株式投資を続けています」(杉村氏・以下同)
このエピソードだけを聞くと、“ギャンブラー”的な投資家に見えるかもしれないが、杉村氏の現在の投資手法は、2年間の証券会社勤務と政治家活動から得た知識をベースにした極めて堅実なスタイル。内閣府の経済財政諮問会議で示された「骨太の方針」を参考にすべきと主張する。その理由や銘柄選定のノウハウ、具体的な注目銘柄などをまとめたのが今回の著書だが、なぜ「骨太の方針」が株式投資の指針になるのか。
