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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「レシートのチップ欄には罵詈雑言とゼロ」「20ドルを自腹で上納」…アメリカの飲食店従業員を悩ませる、チップ文化の“光と影”

アメリカの飲食店従業員はチップや待遇についてどう考えているのか(イメージ)

アメリカの飲食店従業員はチップや待遇についてどう考えているのか(イメージ)

 アメリカで飲食をする場合、日本人にとって馴染みの少ないチップ制度に直面することになる。かつては総額の10~15%が相場だと言われていたが、最近の旅行者の話を聞くと、20%を“要求”されることも当たり前の状況になっているという。

 日本の旅行者からすれば、円安・物価高にくわえてチップの高騰でトリプルパンチといった様相だが、当のアメリカの飲食店従業員は、チップや待遇についてどう考えているのか。アメリカのネット掲示板に書き込まれた飲食店従業員の投稿を分析すると、チップ収入の“おいしい話”ばかりではないことも見えてきた。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏がレポートする。

追加チップで800ドルを手にする飲食店従業員

 元々アメリカのチップ制度は、従業員に高い時給を払いたくない経営者側が「お前のサービスの質でカネを稼げ」ということで導入した意味合いもあった。だが、アメリカ発祥のネット掲示板「Reddit」の従業員コミュニティで活発に議論されている投稿を見ると、「飲食店従業員は時給1000~1400円程度が当たり前」でやって来た日本人にとっては、意味不明な状況になっていると感じられるのではないか。

 そこには、アメリカの飲食店従業員による生々しい体験が投稿されている。チップの額の話も出てくる。ここで「Thank you」と書かれた投稿を見ると、「こりゃあ、私もアメリカでウェイター/ウェイトレスやるか!」と思う日本人も出てくるのではないか。

 たとえば、2139ドル73セント(1ドル=158円換算で33万8077円)を払った客のクレジットカードの「Gratuity」(チップ、ないしはサービス料と訳せるか)欄には、362ドル82セント(16.6%)とある。これは店に払われるものだろうし、回り回って従業員の時給にも反映されることだろう(店によって異なる)。

 そして、従業員本人に対する「Add tip(追加チップ)」は、なんと800ドル(12万6400円)。この従業員は時給を保証されながら、それとは別にこれだけの額を手にしていることになる。

 このように、アメリカのチップ文化は飲食店従業員にかなりの金額をもたらすようになっている。54ドル78セントの食事をした客が100ドル払ってくれた(お釣り分はチップに)との報告もあり、この人は「常連さんから素晴らしいサプライズを受けました」と書いている。

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