中山美穂さんの長男が遺産相続を放棄したと報じられている
相続税の税率の高さについては、4月に国会でも取り上げられ話題になった。相続税など関係ないと思う人は少なくないが、今や資産家だけに限らなくなっている。では相続税について、特に知っておくべき制度はどのようなものか。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第186回は、「相続税」について。
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俳優・歌手として活躍した中山美穂さんが2024年に亡くなり、長男が約20億円(推定)の遺産相続を放棄したとする報道が話題になりました。今年4月には国会でも取り上げられ、相続税の最高税率が55%にのぼること、また日本の相続税は中間層にも課税が及ぶ構造になっているという問題が指摘されました。
ただ、20億円という金額を聞いて「うちには関係ない話」と思った方、ちょっと待ってください。実は相続税は、いわゆる資産家だけの問題ではないのです。
相続税のしくみをおさらい
相続税には「基礎控除」という非課税枠があります。基礎控除額の計算式は「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」です。たとえば相続人が配偶者と子ども2人の3人なら、基礎控除額は4800万円。遺産がこれを超えると課税対象になります。
注意したいのは、2015年の税制改正で基礎控除額が約4割も引き下げられたことです。この改正により、以前は相続税と無縁だった家庭でも課税対象になるケースが増えています。とくにここ数年、不動産価格が急激に上昇しているので、自宅を持っているだけで基礎控除を超えてしまうケースは珍しくありません。ここで問題なのは、相続税は原則として現金で一括納付しなければならないことです。自宅以外に資産がなければ、税金を払うために大切な家や土地を売らなければならないというケースはかなり多いのです。
