日経平均株価とTOPIXの乖離は何を意味するのか
日経平均が6万円を突破したが、「持ち株の多くは値下がりしていた」という人も少なくないのではないか。その背景には何があるのか。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第187回は、「日経平均とTOPIXの乖離」について。
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4月22日、日経平均株価が終値で5万9585円と最高値を更新しました。ところがこの日、東証プライム市場に上場する銘柄の82%が値下がりしていました。さらに27日は、日経平均株価は6万537円をつけ、6万円を突破しました。しかし、日経平均は上がっているのに、自分の持ち株はほとんど上がっていない。そんな違和感を覚えた方も多かったのではないでしょうか。この「ちぐはぐ感」の正体が、日経平均とTOPIXの乖離です。
日経平均とTOPIXはどう違うのか
日経平均株価は東証プライム市場に上場する銘柄のうち、代表的な225銘柄の平均株価です。株価の高い銘柄ほど指数への影響が大きい「株価加重平均」という計算方式を採用しています。そのため、ソフトバンクグループのような値がさ株が動くと、指数全体が大きく動きます。実際、22日はソフトバンクGの1銘柄だけで日経平均を353円も押し上げました。
一方、TOPIXは東証プライム市場に上場するほぼすべての銘柄を対象に、時価総額の大きさで重みづけした指数です。市場全体の動きをより広く反映するため、「日本株全体の体温計」と言えます。
NT倍率が示す市場のサインとは?
NT倍率とは、日経平均をTOPIXで割った数値のことです。4月22日のNT倍率は15.91倍と連日で過去最高を更新しました。この数値が高くなるほど「日経平均が一部の値がさ株に引っ張られて上昇しているが、市場全体は盛り上がっていない」ことを意味します。逆にNT倍率が低下する局面は、内需や中小型株が買われ、市場の上昇が広がっているサインです。
ここで悩ましいのは、日本株のインデックス投資をするならどちらを選ぶべきか、という問題です。長期の積立投資を考えるなら、TOPIXに連動するインデックスファンドのほうが市場全体に分散できるという点で合理的です。日経平均は225銘柄に絞られている上、値がさ株の影響を受けやすい構造なので、一部の銘柄の動きに左右されやすい面があります。
ただし、どちらが有利かは時期によって異なります。AI・半導体関連が相場を引っ張る今のような局面では日経平均型が強く、内需や金融株が主役になる局面ではTOPIX型が有利になることもあります。
