フリーランスのパワハラ被害も深刻(イメージ)
パワハラは会社員の上司と部下の間だけで起こるものではない。発注主である強い立場を利用した、フリーランスへのパワハラというものもある。最近、フリーランスの知人女性からパワハラ被害の相談を受けたというネットニュース編集者の中川淳一郎氏(52)が、自身のかつての経験も踏まえて、その実態をレポートする。
「これまでぬるま湯で仕事をしてきたみたいですね」
最近、フリーランスでPR業務に携わる女性・Aさん(30代)から、こんな相談を受けました。プロジェクトに新しくやってきた中途採用の40代男性社員・X氏が、古参のフリーランスである彼女に対して「だから何言ってるんだかわからないんだよ!」「なんでそんなことすらできないんですか(呆)」「本当にこれまでよく仕事できていましたね……」のような態度を取ってくるとのこと。X氏は役員の昔からの知り合いということで入ってきただけに、他の社員も彼のやり方には何も言えない状況だそうです。Aさんはこれまで約10年、この仕事をしてきて、特に問題はなく進行できていたようです。だからこそ毎年の契約更新を勝ち取ってきたのでした。
Aさんの仕事は、【1】広報部署の定例会議でPR企画のディスカッション、【2】広報誌の編集会議、という主に2つから成り立っています。広報の仕事というものは、「GWに親子で楽しめる企画を用意しました」などといったものがあります。広報誌については、企画内容と文章の質が求められます。
キレ者のX氏は、初回の会議から「皆さんはこれまでぬるま湯で仕事をしてきたみたいですね」と、初の打ち合わせでいきなり爆弾を落としてきた。そのうえで、外注先の人間として会議のファシリテーター兼広報誌の編集者であるAさんに、会議のあいだ延々と、皆の前で叱責し続けきた。
「ここの『てにをは』が違うではないか」
「主語がどれなのか分からない」
「ここはアラビア数字なのに、なぜここは漢数字になっているのか」
「親子で楽しむ企画、と言うが、お子さんがいない人が楽しめる企画になってない。今は全方位に配慮しなくてはいけないから、親子で楽しむ企画はやめた方がいい。考え直せ」
「もう少し深掘りをしなくては、せっかく取材を受けてくれた店に申し訳ない。やり直し」
