いつかデジタルタトゥーになるのでは
都内の大学に通う女性・Bさん(20歳)も、TikTokのレコメンドで、子どものモッパン系YouTuberの動画が流れてくるようになったという。
「最初は可愛いなと思って、何も考えずに見ていたんですけど、だんだん『これって誰の意思なんだろう?』って気になってしまって……。小学生くらいの女の子が、『おいしい! ○○にすごく合う!』などと、テンプレのリアクションを求められている感じがして、ちょっとつらくなってしまいました。
こういったジャンルは保護者が構成を考えて、動画編集もしていると思うんです。再生回数も何十万回とかいっているので、収益もそれなりにあると思う。コメント欄でも褒められるし、一度はじめたらやめづらいですよね。余計なお世話ですが、学校で悪口を言われないのかなとか、デジタルタトゥーになるのではとか、気になってしまい複雑ですね」(Bさん)
ディープフェイクに利用されるリスクも
Bさんが懸念するように、子どもの顔出しコンテンツへのリスクは大きい。都内の私立大学に勤務する大学教員の男性・Cさん(40代・メディア系研究者)は、次のように警鐘を鳴らす。
「小児性愛者などによる視聴や保存の対象になる可能性や、動画の断片が切り取られて拡散されることによる個人情報の特定リスクなどがあります。近年では、公開された映像がディープフェイク技術によって加工され、本人の知らないところで悪用されるケースもある。
とくに、将来にかかわる判断ができない子どもが顔出しで動画配信を行う場合、将来にわたるデジタルフット・プリント(ネット上の活動履歴)が形成されることも知っておく必要があります。収益化というメリットがある一方で、不可逆的なリスクが伴うため、親の管理責任だけでなくプラットフォーム側の対応や規制も求められる段階だと考えます」(Cさん)
子どもYouTuberの動画は、可愛らしさや親しみやすさによって高い視聴数を獲得しやすいが、顔出し配信をする子どもたちが、引き返すことのできないリスクにさらされていることも事実だ。子どもたちの将来を守るためにどうするのが正解なのか、あらためてリスク管理が問われているのではないか。