大学のキャリアセンターへの相談も増加
都内の私立大学のキャリアセンターで就職支援をおこなっている職員のCさん(50代)は、こうした就活エージェントがらみの相談が、年々増加していると話す。
「最近は、就活用のSNSアカウントを作った学生に対して、『就活相談に乗ります』『面接の練習会をやります』などとDMが届くケースがあります。先輩学生や大学の卒業生を装っていることもあり、学生側も警戒しにくいんです。
なかには、そのまま有料コミュニティに誘導されたりする悪質な事案もあります。運営会社の情報や、有料職業紹介の許可番号が確認できないサービスは避けた方がいいです。学生たちには、少しでも不安なことがあったらキャリアセンターに相談するよう伝えていますが、大学経由で安心して就活をおこなってほしいですね」(Cさん)
こうした「エージェント」や「塾」に頼ってしまう学生たち。その心理の背景には、どのような課題があるのか。Cさんはこう続ける。
「こうした問題は、学歴への不安が背後にあることが多いのではないでしょうか。『自分のようなFラン大学は学歴フィルターで落とされる』とか『どうせ、高学歴の学生には勝てない』という引け目があるのでしょう。そこで、正規の方法で粘り強く頑張るよりも、誰か頼れる大人の力を借りて、一発逆転する方法はないかと考えてしまう。
そして、悪質な業者はそうした学生たちの不安やコンプレックスを利用して、勧誘をするんです。学生たちも悪気なく、学友を誘ってしまう。このような罠に引っかからないために、まずは所属大学を信頼してほしいですね」(同前)
いくら売り手市場とはいえ、就職活動の早期化や長期化により疲弊する学生は少なくない。そんな学生たちの不安をビジネスとして利用する動きも、広がっているようだ。もしトラブルに巻き込まれそうになった場合は、自分一人で即断せずに、大学のキャリアセンターや公的な相談窓口を利用するようにするのが安心だろう。