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ビジネス
妄想する決算「未来を読み解く決算書」

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの金融収益は約1000億円! 決算書の「営業外損益」や「特別損益」から分かる“本業以外の稼ぎ”

ファーストリテイリングも本業以外で大きく稼いでいる

妄想さん:理解を深めていくためにも、ここからはいくつかの本業以外の重要な損益を、具体例を交えて見ていきましょう。

一ノ瀬君:了解! ただ本業以外ってなると、あんまり重要性を感じないね。

妄想さん:ふふふ。そうとも言いきれないですよ。ユニクロやGUを展開し、日本を代表する企業の1つであるファーストリテイリングが、じつは本業以外で大きく稼いでいるとしたらどうでしょう?

一ノ瀬君:ええっ?! ユニクロみたいな大企業が、本業以外で大きく稼いでいるの?

妄想さん:気になってきました? それでは、ファーストリテイリングの営業外損益を見てみましょう(別掲図参照)。営業利益の下の金融収益に注目してください。

ファーストリテイリングの損益計算書(2025年8月期)(『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』より)

ファーストリテイリングの損益計算書(2025年8月期)(『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』より)

一ノ瀬君:営業利益が5642億円で金融収益が991億円! 約1000億円も稼いでる。

妄想さん:そうなんです。国内外で大規模な先行投資を一段落させ手元資金が積み上がったファーストリテイリングは、金融収益を育てる戦略を取っていて、近年は受取利息が大幅に増加しています。

 ここ数年は、債券など金融商品の保有量を大きく増やしたことで、受取利息は次のように大幅に増加しています(別掲図参照)。

ファーストリテイリングの受取利息の推移(『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』より)

ファーストリテイリングの受取利息の推移(『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』より)

妄想さん:2025年8月期の税引前利益が6505億円ですから、約1割を受取利息で稼いでいるわけです。もちろん本業の利益のほうが大きいですが、金融面からの安定収益がここ数年で大幅に拡大していることがわかると思います。

一ノ瀬君:へえ。金融資産を増やして、利息でこんなに稼ぐ企業に変わったんだね! これは継続的だから強いね。

妄想さん:近年は各国で利上げが進みましたし、株主還元に力を入れ増配となる企業も多いです。金融資産を多く保有する企業では、受取利息や受取配当金が収益を押し上げていることも少なくありません。

一ノ瀬君:金利上昇での利息増加もあるし、保有する株の配当が増えたのも影響してるのか。

妄想さん:逆に借入れの多い企業だと、金利上昇で支払利息が大きくなります。本業では利益が出ているのに、利息の支払いで利益が消えてしまう、といったケースもあったりします。

一ノ瀬君:なるほど、金融の損益まで含めて業績を見るのが大切だね。

※妄想する決算・著『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』(高橋書店)を元に一部抜粋して再構成

【プロフィール】
妄想する決算/1990年福島県生まれ。コンテンツクリエイター。投資に関するコンテンツは数多くあるが、決算書からビジネスモデルを紐解くコンテンツが少ないと感じ、音声メディア「voicy」で「10分で決算が分かるラジオ」を配信開始。上場会社が出す決算の1次情報とメディアから出てくる2次情報の中間1.5次情報を10分にまとめた内容で人気に。番組の総再生回数は870万回を超える。「ForbesJAPANクリエイター100」に選出。今は、海外や日本を転々としながら、Voicyを週に5日更新しつつ、日興証券フロッギー、楽待など、web媒体での連載も多数。2026年3月、『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』(高橋書店)を出版。
Xアカウント:@DualHouse

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