「サービス提供側がOKといえばOK」外野が何か言うことはない
翻って私自身のことを考えると、現在週に1回、カフェ兼バーでバイトをしています。15時のオープンを楽しみに来る人がいます。14時45分頃、店で諸々の準備をしていると「もう、いいかーい?」と常連の高齢男性が入ってくる。
「準備中なんでまだお冷しか出せないけど、それでもいいですか? 15時になったら色々頼んでくださいね」とその時は言う。準備中に一人客がいても全然気にならないんですよ。あと、先週は閉店の20時までお客さんがびっしり! 20時までだと分かってる人々はそそくさと会計をしてくれたのですが、それでも盛り上がるお客さんはいる。
そんな中やってきたのが一見さんの長身男性でした。「まだ大丈夫ですか?」と言ったので、「もう閉店時間です。でも、これから30分ぐらい片付けをしますが、そんなワタワタした状態で良ければ大丈夫ですよー。複雑な料理はできませんが」と伝えました。
彼は日本酒を1合頼みました。このぐらいであればすぐにお出しできます。他のお客さんが会計をしたり、わざわざ食器類をカウンターまで持ってきてくれたりしている喧噪の中、男性はウマそうに酒を飲む。結局最後のお客さんになったものの、片付けをしている中、寡黙に同氏は飲み続け「ふーっ」とリラックスしている。
あらかた片付けが終わった20時35分、彼は「すいませんでしたね。お会計お願いします」と800円ナリを払って外に出ていったのでした。今回のホテルのチェックイン問題については、「サービス提供側がOKといえばOKで、外野がガタガタ言うことではない」に尽きるのではないでしょうか。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『それってホントに「勝ち組」ですか? 現代格差の読み解き方』(鹿砦社)。