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古賀真人「発掘!好決算銘柄」
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【3か月半で株価4倍!】AI相場の主役に躍り出た村田製作所 来期業績予想の“ROIC大幅改善”が市場に与える強烈なインパクト 次なる上昇余地を占うカギとは《億り人・古賀真人氏が解説》

MLCCの需要増により来期業績の大幅成長を見込んでいる村田製作所(写真:時事通信フォト)

MLCCの需要増により来期業績の大幅成長を見込んでいる村田製作所(写真:時事通信フォト)

 スマホ向け部品メーカーの印象が強かった村田製作所の株価が急伸している。背景にあるのは、AIサーバー向け需要の拡大と、主力の積層セラミックコンデンサの受注急増だ。直近決算と来期見通しから、同社の成長シナリオをどう読み解くか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。

積層セラミックコンデンサで世界シェア首位

 スマートフォンや自動車に組み込まれる電子部品のメーカーとして、やや地味なイメージを持たれることもある村田製作所(6981)。しかし直近の株価チャートを見ると、そのイメージを覆す動きが起きている。今年2月2日に記録した年初来安値2822円から、6月1日には11100円と、わずか3か月半で株価は4倍近くまで急騰している。いったい何がこの企業を突き動かしているのか。2026年4月30日に発表された2026年3月期の本決算の内容と、来期(2027年3月期)に向けた強気の業績見通しを軸に、分析していきたい。

 村田製作所は1944年設立、本社を京都府長岡京市に置く電子部品メーカーだ。「積層セラミックコンデンサ(MLCC)」と呼ばれる電子部品において世界シェアトップを誇り、スマートフォン、パソコン、自動車、そして近年急拡大しているAIサーバーまで、ありとあらゆる電子機器に同社の部品が組み込まれている。いわば電子部品の縁の下の力持ちといえる。

 事業は、コンデンサ・インダクタ・EMIフィルタなどを束ねる「コンポーネント」セグメントと、高周波モジュール・表面波フィルタ・リチウムイオン二次電池などの「デバイス・モジュール」セグメントの2本柱で構成される。売上収益のうち実に92.7%が海外向けという、真のグローバル企業でもある。経営スローガンは「Innovator in Electronics」。2030年に向けた長期構想では、コンデンサ・インダクタにおけるシェアNo.1の確立と、AIが牽引する電子部品需要の取り込みを成長の核に位置づけている。

直近決算でコンデンサが12.6%増収、コンピュータ向けは28.4%の急拡大

 2026年3月期の連結業績は、売上収益が前年同期比5.0%増の1兆8308億円、営業利益は同0.8%増の2818億円となった。数字だけ見れば微増に見えるが、その中身は非常に興味深い。

 事業別に見ると、好不調がくっきりと分かれている。コンポーネントセグメントの売上収益は前年同期比12.3%増の1兆1597億円と2桁成長を達成。なかでもコンデンサは12.6%増の9364億円と大幅な伸びを記録した。AIサーバー向けを中心に積層セラミックコンデンサの需要が広範な用途で急拡大したことが最大の要因だ。インダクタ・EMIフィルタも11.0%増と堅調で、スマートフォンやモビリティ向けでの需要拡大が寄与した。

 一方、デバイス・モジュールセグメントは5.9%減の6559億円となった。スマートフォン向けの高周波モジュールや樹脂多層基板が減少し、表面波フィルタ事業でのれんの減損損失約438億円を計上するなどの発表もされている。

 用途別に見ると、コンピュータ向けが前年同期比28.4%増と際立った伸びを見せている。AIサーバー向けのコンデンサやリチウムイオン二次電池が急拡大したことが直接の要因だ。通信向けは3.1%減と苦戦したものの、モビリティ向けは4.8%増、産業・その他向けも7.8%増と、スマホ以外の用途が全体を支えた。

 財務面も盤石だ。期末の現金及び現金同等物は6537億円と分厚く、親会社所有者帰属持分比率は85.0%という圧倒的な財務健全性を誇る。自己資本比率が85%を超える財務体質は、同規模の製造業では極めて高い。

次のページ:コンデンサの受注残高89%増が示す旺盛な需要

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