PCG開発のリゾート施設で開業予定の高級ホテル「シックスセンシズ」の工事現場
妙高山麓にあるスキー場や温泉でかねて栄えてきた新潟県妙高市──。この風光明媚な土地も、新たにマネーゲームの舞台になっていた。導火線となったのは、シンガポールの投資会社PCG(ペイシャンスキャピタルグループ)が、2000億円を投資して世界的リゾートを目指すという報道。地元では不動産価格が急騰してバブルの様相を呈する一方で、トラブルも増加し──。ジャーナリストの赤石晋一郎氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む】
「完全に外国人スキーヤーの町と化している」
PCGの登場より一足前から“プチバブル”に沸くのは妙高市の赤倉温泉だ。江戸時代の文化13年に開湯した温泉地が様変わりしたのはここ10年くらいのことだという。
「今、赤倉は完全に外国人スキーヤーの町と化しています。春夏は閑散としますが、冬場は海外のスキーヤーで溢れ返る。日本とは季節が逆のオーストラリアのスキーヤーが大挙して赤倉スキー場に訪れるようになった。冬の旅館の稼働率は常に100%。彼らは長期滞在する上客で温泉街に活気が出たのは事実です」
こう語るのは赤倉の旅館経営者だ。外国人客が増えたことで、オーストラリア人や欧米人が旅館を買収するケースが急増した。さらに近年は、中国人、シンガポール人など華僑系による宿泊施設の買収が増えているという。旅館「ふるや」社長で赤倉温泉観光協会会長の中嶋正文氏が語る。
「深夜まで飲んで大騒ぎする外国人客が多く、ゴミと騒音が増え、赤倉の風情は消えたと嘆く日本人のお客さんもいます。旅館業法や風営法など日本の法律を守らない経営者が多く、闇民泊も横行。外国人オーナーは観光協会に入らないので、我々では実態が把握できない。行政や警察に何度も取り締まりをお願いしているのですが、『言葉が通じない』と及び腰なのです」
