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千葉商科大学教授・常見陽平氏が考える“AIエントリーシートの功罪” 「AI丸投げの内定長者」が苦しむ未来 一方で「就活の格差縮小」への希望も

AIに“丸投げ”すれば、手間は省けるが…(イメージ)

AIに“丸投げ”すれば、手間は省けるが…(イメージ)

 就職活動で学生が企業に応募する際、手書きのハガキを企業に送ったり電話をかけたりする時代から、ネット経由のエントリーになって久しい。そうはいっても、志望動機や学生時代に力を入れたことのアピール方法は自分で研究する必要があったが、AIを活用すれば、エントリーシートも“思いのまま”――という時代が到来している。

 先日、AIをフル活用して大手マスコミなど5社の内定を総なめにした学生のエピソードがSNSで話題となっていた。企業側にとって、学生の能力・資質をどう見抜けばいいのか悩ましい時代の到来を予感させるような話だが、AI時代の就活はどう形を変えていくのか。千葉商科大学教授で、働き方研究家の常見陽平氏が考える。

エントリーシートとAIの「相性の良さ」

 生成AIの時代である。言いにくいだけで、すでに就活にフル活用している学生は相当数いるのではないか。特にエントリーシート作成にAIを使っている学生は少なくないはずである。実際、インディードリクルートパートナーズの「就職白書2026」によると、2026年卒の学生のうち就職活動において生成AIを使用した学生の割合は63.3%だったことがわかった。一方で今、AIによる選考対策の可能性と限界が、ともに明らかになりつつある。

 就職活動は、昔から情報戦であり、新ツール活用の歴史だった。1930年代には、すでに就活マニュアル本にあたるものが登場していた。学生は先輩に話を聞き、キャリアセンターやネットで就活体験記を読みあさる。就活塾に通う学生、就活サークルに入る学生もいる。何かしらの方法でエントリーシートの書き方、自己PRの作り方、志望動機の組み立て方、面接での答え方を学ぶ。この構造自体は、何も新しくない。変わったのは、相談や情報整理の相手として、AIが登場したということである。しかもAIは、いつでも何度でも返事をしてくれる。ある意味では、これまでの就活支援をさらに高度化し、民主化した存在だとも言える。

次のページ:「AI丸投げ」が待ち受ける「罠」

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