「どう返事すれば正解だったのか」塾講師の自問自答
首都圏の予備校で高校生を教えている大学生の男性・Bさん(21歳)は、近年、生徒の会話のなかに夜職系インフルエンサーの名前が出てくるようになったという。
「生徒たちは、テレビよりもYouTubeやTikTokを見ています。そこでは、キャバ嬢やホストが、『タワマンに住んでいます』とか、『こんな高級車に乗っています』『1ヶ月で、何百万円を売り上げた』などと発信しているわけです。
そうすると、一部の生徒は“まじめに勉強するより、見た目を磨いて夜職で稼いだほうが楽”と感じてもおかしくない。実際に、ある高校2年生が、『先生、大学に入ったら、夜職でバイトをして、その売上を全部NISAの投資に回せば、一生楽に暮らせるんじゃない?』などと冗談まじりに話してきました。僕は、『そんなことは良いから勉強して』としか言えなかった。でも、後からどう返事すれば正解だったのか、自問自答しましたね」(Bさん)
「アイドルの話かと思ったらホストの話だった」
キャバクラの世界だけではない。最近は、ホストの露出も目立つ。ホストクラブの裏側を公開するドキュメンタリー形式の番組や、ホストの接客バトルコンテンツなど、SNSではさまざまな動画がアップされている。
都内の美容整体で勤務する女性・Cさん(40代)は、中学2年生の娘がホストクラブの実録系動画を見ているという。
「娘が『この人マジでかっこいい』『担当にしたい』みたいな話をしはじめた時は、驚きました。最初はアイドルの話かと思ったら、ホストのYouTubeチャンネルだったんです。ホストの密着動画が切り抜きされ、TikTokでもバズっているらしく、親の私にも『この人、すごく頭いいんだよ』なんて動画を見せてきて……。
私が子どもの頃は、“歌舞伎町は危険”という印象だったし、親と水商売の話をすることなんてなかったです。でも、娘によれば、学校の友達もキャバ嬢やホストの動画をよく見ているそうで、いつか『私も店に行きたい』と言い出さないか心配。成人するまでは、そういった世界に容易に触れさせないようなゾーニングが必要なのではないか、と個人的には思いますね」(Cさん)
YouTubeやSNSによって、かつては大人になってから接するものだった水商売の世界が、子どもの目にも触れやすくなっている。一方で、未成年がその世界を「成功物語」や「推し活」の延長として受け止めることに、不安を抱く保護者も少なくないようだ。