“推し活勢”にルールを尊重させることの重要性
多くのファンが楽しめる現場を作るためには、運営サイドが“推し活勢”を上手く制御することが重要になってくる。
「推し活勢は運営にとって大切なファンであり、そのコンテンツを支えてくれる人々なので、最大限に尊重しなければならない。ただ、一方で“応援する行為”が目的となっている推し活勢は、どうしても自己主張が強くなってしまいがちで、“何でもあり状態”になって現場が混乱してしまうケースもある。だからこそ、運営サイドは応援のためのルールをしっかりと決めて、さらにはルールを破った際のペナルティーも設定したほうがいいわけです。
たとえば、推し活の定番であるアイドルの場合、長年活動しているアイドルグループであれば、公式で細かいところまで応援のルールが決まっているうえに、ファンの中での自主的なルールなどもあり、結果的に“平和な現場”が形成されやすい。それは、ファンと運営が年月をかけて作り上げた平和でもあります。一方で、歴史が浅いグループは、ルールが曖昧であるために、過剰な自己主張に及ぶファンも出てきやすい。ボートレースに“推し活勢”が増えたのはコロナ禍以降で、まだまだ歴史が浅く、ルールを守れないファンも一定数いたのではないでしょうか」
競輪でもファンが作成した横断幕が掲出されているが、一部の競輪場では横断幕を画像データとして電光掲示板に表示する「電子横断幕」も導入されている。ボートレースにおいてもこのような新たなアイディアが必要となりそうだ。前出のスポーツライターが言う。
「電子横断幕のようなアイディアを導入するにしても、やはり誰もが公平に応援するためのルール作りが重要だと思います。レース場では、選手のタオルを頭上に大きく掲げるファンがいて、客席後方からレースが見えなくなっているといった事象も起きているようです。そういった細かいマナーも含めて、ルールを決めていく必要があると思いますね」
たしかに、“推し活”ブームがさまざまなコンテンツにもたらすメリットは大きい。しかし、“推し活”をキーワードに集客を増やしたいのであれば、それ相応の受け入れ体制を整えることが求められるのだ。