使い切れないまま最期を迎えることのないように
人生最期の瞬間が近づく中で、入院、通院、介護、看取り、葬儀代など、さまざまなお金がかかる。そこで苦労をしないために、あるいは子供たちに遺しておくためにと、お金を使わずに貯め込もうと努力している人も少なくないだろう。しかし、それだけが正解ではないという。老後資金の新常識を紹介する。【全3回の第3回】
老後資金は見える化が欠かせない
多くの人が陥る誤った知識が、“老後に備えてお金を貯める”こと。いまや元気なうちに賢く使って「死ぬまでに使い切る」ことが“新常識”だ。行政書士で相続・終活コンサルタントの明石久美さんが言う。
「“いつ何が起こるかわからないから”と老後資金を貯め込む傾向は、特に女性に多く見られます。
貯蓄の有無を自分の感覚だけで考えてしまい、必要以上に貯め込み、結局使わないまま最期を迎えることも。回避するには、“見える化”して把握することです」
では、具体的に動くために、お金を使い始めるタイミングはいつ頃が最適か。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが指摘する。
「計画的に取り崩して使っていくことを考えるべきです。始める時期は、50代後半から年金受給開始の65才前後がベスト。50才以降は『ねんきん定期便』で将来もらえる年金の具体的な見込み額がわかるようになり、現実的な収支の予測が立てやすくなります」(黒田さん・以下同)
