お金のセンスが高まる「5つの費目」(『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』より)
優先順位に沿って5つの費目に分ける
毎週、新たなおこづかいを渡したら、子どもは親の見守りのもと、その場でおこづかいを費目ごとに「予算分け」します。まずは小学校高学年から、中高校生になるまで使える、スタンダードな5つの費目を、予算額を決める優先順位に沿ってご紹介します。
一つ目は、NEEDS(ニーズ)。これは、学校で使う文房具代や、習い事への交通費など、「必要」なお金です。
二つ目は、GIVE(ギブ)。寄付に使うお金です。
三つ目は、SAVE(セーブ)。貯金に回します。
四つ目は、INVEST(インヴェスト)。投資に回すお金です。
そして五つ目が、WANTS(ウォンツ)。やっと、浪費に使えるお金です。
子どものおこづかいといっても、大人になったときの練習が目的のため、予算分けの費目はあえて一般社会で通用するように大人と同様に説明しますね。
「使ってはいけない必要なお金」を分ける習慣づけ
さて、小学校高学年以上の子どもはすべて、このNEEDS、GIVE、SAVE、INVEST、WANTSという5つの目的で、毎週のおこづかいを予算分けしていきます。このとき、(1)NEEDS、(2)GIVE、(3)SAVE、(4)INVEST、(5)WANTSの順に沿って、予算を決めていきましょう。
最優先で予算額を決めるべきは、NEEDSと呼んでいる「必要なお金」です。NEEDSは学校で使う文房具代や習い事への交通費といった、子どもの日常生活で実際に必要な、教育現場などにまつわる費用です。本来は親が負担する費用の一部で、使ってしまうと子ども自身も困るお金と考えましょう。このNEEDSをおこづかいに入れて渡すことで、子どもに「使ってはいけない必要なお金」は分けておく習慣がつき、大人になってもお金に困らない予算管理能力を身につけるのです。
子ども自身で支払いができると理想的なので、支払いやすい交通費だけをあてたり、月謝などは4で割って毎週渡す分割方式にしても。初めは文房具代などの小さな額から始めて、慣れてきたら習い事の月謝など金額を徐々に増やし、もし子どもがしっかり管理できるのであれば、あらかじめ予定されている習い事の遠征費や大会費の積み立てなど、長期にわたる管理にシフトする手もあります。
たとえば、毎週500円ずつNEEDSとする場合、1か月で2000円、1年で2万4000円になります。遠征や大会の実行予定日から逆算することも、大人になって必要になる大事な力です。子どもに預ける金額が大きくなりすぎると不安なら、交通費だけなど、家庭で相談して決めましょう。どの程度大きな額を子どもに任せるか、親子で一番話し合いが必要なポイントで す。NEEDSの費用は、子どもがすすんで実行したいことのほうが、「それだけのお金が必要」と、子どもが実感しやすくなるというメリットもあります。
次に優先したいのは、GIVE、「寄付」です。
寄付は、本来なくてもいい費目かもしれませんが、「余ったら寄付する」ではなく、あらかじめ予算分けに入れておくことがGIVEのポイントです。割合でいえば、おこづかいの1%ほどでいいと思います。たとえば、 10 歳の子どもが毎週1000円をもらっているとしたら、寄付の予算額は 10 円になります。毎回募金箱に入れてもいいのですが、寄付を募っている団体を親子で探し、貯まったら寄付する形がおすすめです。
続いて、SAVEの「貯金」とINVESTの「投資」です。
インフレの時代は投資のほうが重視されますが、貯金も子どもの金融教育として大切。とりあえずは「貯金優先」で予算額を決め、投資の資金を貯めながら、子どもが投資をできるようになるまで待つのがおすすめです。割合でいえば、私のアカデミーではSAVE+INVESTで合わせて、おこづかいのトータル額の25%を目安としています。これは、本多清六という江戸末期から昭和中期にかけて活躍した学者の、「月給4分の1天引き法」という考え方に基づくものです。収入の4分の1を貯蓄に、という提言ですね。投資はすぐに始めなくても、資金を貯めていくことが金融教育として大事になります。
そして、最後に残った金額が、WANTS。いわゆる「浪費」の予算額になります。この浪費分が実質、一般的な子どものおこづかいにあたります。必要な額を差し引いて残った分なので、「思ったほど多くない」と感じる方が多いも思いのではないでしょうか。子ども自身が予算管理を始めると、好きな飲料やお菓子をコンビニよりも安いスーパーやドラッグストアで買ったり、お金にシビアになったりなど、おもしろい変化が見られるかもしれません。
