人気シリーズ『ケロット』のBT機バージョン『スマスロケロット5BT』
型式試験にBT機専用枠
そんななか、パチスロ業界ではBT機普及に向けた動きが活発化している。パチスロメーカーの業界団体である日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)とパチスロ機販売業者による団体である回胴式遊技機商業協同組合(回胴遊商)は7月3日、BT機普及促進のための勉強会を開催。その後の記者会見で、BT機の設置比率を10%にする「BT10」を目標とする方向性を確認したことを報告。そのうえで、パチスロ機の「遊技機型式試験」において、BT機専用枠を設ける申し合わせをしたことを発表した。
型式試験とは、風営法に基づいて遊技機が規定に適合しているかどうかを検証する試験のこと。パチンコ、パチスロの型式試験は、国家公安委員会から指定を受けた試験機関である、保安通信協会(保通協)とGLI Japanで行われている。
「型式試験では、メーカーから持ち込まれた遊技機を実際に試打し、その出玉性能が規定の範囲内であるか否かを検証します。この型式試験で適合だと判断されないと、実際に遊技機を販売することはできません。
ここで問題となるのは、実施できる型式試験の数に限りがあることです。たとえば、保通協であればパチスロの型式試験の申請を受理できるのは、1日5枠のみですが、その5枠に対してメーカーからは100件ほどの申請があり、どの遊技機に対して型式試験を実施するかは抽選で決まります。メーカーとしては、ユーザーからの需要が大きいAT機を優先せざるを得ず、自然とBT機の申請は減ってしまう。このような状況があるからこそ、余計にBT機が増えないわけです」
この型式試験にBT機専用の枠を設けることで、BT機が型式試験に適合しやすくなり、結果としてホールに導入される数を増やすというのが、パチスロ業界の狙いだ。
「業界全体を見れば、射幸性が高くなりすぎることは大きなリスクとなっていますが、遊技機メーカーとしてはより売れる可能性が高いAT機を優先したいという思いがある。ホールとしても射幸性が高い機種を増やしたい。つまり、業界が進むべき方向と、遊技機メーカーやホール運営会社の思惑は相反しており、各社が利益を追求することがパチスロ業界の縮小を招きかねない現実があります。
今回のパチスロ業界団体によるBT機普及強化の動きは、パチスロの高射幸化を食い止めるものであり、それは利益を求めるメーカーやホールにとっては、必ずしも歓迎されるものではないかもしれません。しかし、パチスロ市場をより持続可能なものへと向かわせるためには必要なことで、だからこそ業界団体が動くことで、各メーカーを誘導する必要があったと言えるでしょう」
盛り上がれば盛り上がるほど、ギャンブル依存という負の側面が浮き彫りになるのがパチンコ・パチスロ産業。市場衰退を回避するための試行錯誤は続く。
