事業再生をどう進めたのか(写真:イメージマート)
老舗企業の「跡取り息子」と聞けば、誰もが順風満帆の人生を連想するだろう。だが、若干28歳で家業を継いだ古川大策氏(36)の人生は波乱に満ちていた。
「商社勤務を経て家業の社員となった私が、社長に就任したのは2018年のこと。前社長の父の突然の退任、蒸発がきっかけでした」(古川氏、以下「」内は同)
1890年(明治23年)創業の三重県伊勢市「エフリックス株式会社(旧・古川書店)」は、同市で書店事業や教科書販売、ネットカフェ、不動産賃事業などを広く展開。最盛期に年商20億円を誇る優良企業だった。しかし――。
「消費動向の変化により、経営は苦しくなる一方でした。父が姿を消したのも、先行きを悲観したからでしょう。でも、私はテコ入れ次第で事業再生はできると考えていた。顧問税理士から『事業継続か廃業か』と問われ、『やります!』と即答したのです」
商社勤務の経験があるとはいえ、会社経営は“ド素人”。五里霧中で事業再生を目指す古川氏がまず取り組んだのは経営立て直し。当時、都心で流行の兆しを見せていた『ブックカフェ(書店とカフェ)』事業を柱とすることで収益の改善を図った。
