延命治療についてどう考えるか(写真:イメージマート)
老後生活にしっかり備え、悠々自適の生活を実現している人でも安心はできない。人生は最後に大きな落とし穴が潜んでいるからだ。一歩間違えると順調な老後を送ってきた人も途端に景色が暗転する。憂いのない最後を迎えるため、延命治療の「正しい選択」を専門家が指南する。
判断能力があるうちに自分の意思を伝えておく
家族も含めて大きな決断を迫られるのが「延命治療」だ。ひと口に延命治療と言っても、「命を延ばすためだけの処置」と「回復のための治療」を分けて考える必要があると、秋津医院院長の秋津壽男医師は話す。
「前者は意識が戻らず、回復の見込みがないなか人工呼吸器で延命をはかるような状態。突然、意識不明の重体になってしまうと、本人の意思がわからないなかで、家族が辛い決断を迫られることになります。
とりあえず生命維持をして後で延命治療を継続するか決めればよい、という人も多いのですが、この考えは危険。一度人工呼吸器をつけると簡単には外せません。医師が装置を停止した時に殺人罪や嘱託殺人罪に問われる法的リスクが伴うからです。始める前に、どのような状態になっても続けるか考える必要がある」
家族の負担を減らすためにも、判断能力があるうちに自分の意思を伝えておくことが大切だ。
「その際には、単に“延命は嫌だ”と言うのではなく、人工呼吸器、胃ろう、点滴など具体的な措置について、望むか望まないかをしっかり話しておきましょう」(秋津医師。以下「 」内同じ)
