歴戦のトップ・ディーラーが日米協調介入後のFX戦略、2026年後半の為替レンジ予想を解説(写真:イメージマート)
7月末の日米両政府による約28年ぶりの円買い協調介入により、米ドル/円は164円近辺から155円台後半まで下落し、8月前半は1米ドル=157~159円台で推移している。
日米両政府は「我々は今後の協調介入にも躊躇しない」と足並みを揃えて表明しており、日米の再介入や円高トレンドへの転換を警戒する声もあるなか、「米ドル/円だけでなく、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円など幅広い通貨ペアで円安が進む」と予測するのは、元外国為替ディーラーで、長年、為替相場に向き合ってきた松田哲氏だ。
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米ドル/円に強いレジスタンスラインが出現
日米の円買い協調介入の効果が薄れ、米ドル/円は160円近くまで反発上昇したものの、再度の協調介入への警戒感もあることから上値が重い展開が続いている。
1985年から外国為替に従事し、三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などでトップ・ディーラーとして活躍してきた松田氏が解説する。
「今回の日米協調介入がなければ米ドル/円はさらに上昇し、165円台~167円台程度まで円安が進んでいた可能性がありました。しかし、日本のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)そのものには何も変化がなく、日本が早々に政策金利を大きく引き上げるといった金融政策をとらなければ、協調介入があっても円安トレンドは当面止まらないと考えられます。ただ、今回の協調介入により、当面の米ドル/円は163円台~164円台近辺が強いレジスタンスライン(上値抵抗線)になったのは間違いないと言えます」(以下、「」内コメントは松田氏)
米ドル/円の2026年後半の値動きについてはこう分析する。
「もし日米協調介入が今後なく、米ドル/円が反発して上昇していく場合、当面の天井は今回の協調介入のポイント付近の164円台と見ています。逆に、再び日米協調介入をした場合、米ドル/円は152円まで下落する可能性があります。さらに152円のラインを下に抜けると、150円付近まで円高が進行することも考えられますが、現時点では今年後半の米ドル/円のレンジは下値152円~上値165円と予想します」
「ありとあらゆる通貨に対して円が弱い」
クロス円(米ドル以外の通貨と円の通貨ペア)はどうか。松田氏は日本円の全面的な弱さを指摘する。
「ありとあらゆる通貨に対して円が弱い、と言わざるを得ません。米ドル/円だけでなく、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円など幅広い通貨ペアで円安が進むと見ています。再び日米協調介入が実施されれば、米ドル/円もクロス円も急落する可能性があります。しかし、協調介入によって日本の金利水準や経済構造そのものが変わるわけではありません。したがって、一時的に円高方向へ振れても、その後再び円安方向へ戻ると思われます」
では、円の全面安が予想される2026年後半の為替相場でどう戦うのがいいのか。松田氏が米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円など各通貨ペアの予想レンジとともに、FX(外国為替証拠金取引)戦略、取引の際の注意点を解説する。
