2029年に税率が元に戻る際の「増税ショック」は避けられない?(高市早苗・首相/時事通信フォト)
高市早苗・首相が強行突破で実現へ向かおうとする飲食料品の消費税減税は、一見、物価高対策であるとともに、食品メーカーや小売業界などの企業が恩恵を受ける政策に見える。しかし、影響があると考えられる業界の経営者たちに取材すると、歓迎だけでなく懸念の声も多く聞こえてきた。本誌・週刊ポストが行った大手企業の社長への緊急アンケートから見えてきた問題点とは――。
2年後に待ち受ける「増税ショック」
社長たちが懸念しているのが日本経済へのマイナスの影響だ。とくに高市減税で強い逆風にさらされると見られているのが外食産業だ。
惣菜や弁当のテイクアウトなどは税率1%の恩恵を受けるのに対し、外食の税率が10%のままなら競争上、不利になりかねない。大手外食チェーン・D社の経営者(匿名回答)は今回の高市減税の決定のやりかたを真っ向から批判した。
「今回の決定は、幅広い事業活動や雇用環境に影響を及ぼす可能性があり、その影響を軽視すべきではありません。また、減税効果が為替や物価動向によって十分に実感されない場合や、将来的な負担増につながる場合には、最終的に生活者がその影響を受けることになります。こうした懸念への説明が十分になされないまま進められたことには疑問を感じており、政策の必要性や効果について、より明確な説明が求められると考えます」
今年上半期の飲食店の倒産件数は過去最多を更新、「物価高で原材料の仕入れコストや光熱費などエネルギー費用、人件費の高騰に直撃され、経営が立ちゆかなくなった飲食店が増えている」(東京商工リサーチの友田信男・情報本部長)のだ。そこに食品減税が追い討ちをかければ、大ダメージを受けることになる。
来年4月に消費税減税が実施されると、外食業界で大量倒産が出るとの見方は多い。外食産業との取引が多い飲食料品メーカーの経営者たちはそれを非常に心配している。
「外食産業への影響を最小化する施策検討や、持続的で公正な税制の早期転換が必要と考える」(キリンHDの南方健志・社長)
さらに経営者たちが強く懸念するのが飲食料品の税率を元に戻す2029年4月の「増税ショック」だ。
