デジタル資産の存在を家族にどう伝えておくか
ネット証券やネット銀行、暗号資産――。オンラインで管理する資産が増える一方、本人に万一のことがあれば、家族がその存在にすら気づけないケースがある。秘密鍵やパスワードが失われたことで、資産を取り出せなくなる恐れもある。大切な資産を確実に家族へ引き継ぐための「財産目録」の作り方と、安全な情報の残し方とは。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第202回は、「デジタル資産の見える化」について。
なぜデジタル資産は見つけにくいのか
もしあなたに万一のことがあったとき、家族はあなたの資産の全体像を把握できるでしょうか。ネット証券の口座、ネット銀行の預金、暗号資産(仮想通貨)……。こうしたデジタル資産は、紙の通帳や取引報告書が残らないため、本人以外には存在すら気づかれないことがあります。相続の現場では、故人のデジタル資産を探し出すのは大変な作業だといいます。今回は、デジタル資産の「見える化」について考えてみます。
昔なら、亡くなった方の自宅から通帳や証券会社の郵便物が出てきて、家族が資産を把握できました。しかし今は、取引がすべてオンラインで完結し、通知もメールのみというケースが増えています。ログイン情報がわからなければ、家族は口座の存在にたどり着けません。暗号資産に至っては、秘密鍵やパスワードを失うと、資産そのものが永久に取り出せなくなる恐れもあります。便利さの裏返しのリスクです。
財産目録を作っておこう
対策はシンプルで、資産の一覧=財産目録を作っておくことです。どの金融機関に、どんな口座があるのか。ネット証券、ネット銀行、暗号資産の取引所、保険、加入しているサブスクまで、リスト化しておきます。ポイントは、家族がたどり着ける形にしておくこと。口座番号やIDに加え、「どこを見れば情報があるか」を書き添えておくと安心です。ただしパスワードそのものを目録に書くのはセキュリティ上危険なので、保管場所を家族に伝えておいたり、エンディングノートを活用するなど、工夫が必要です。
