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ビジネス

「280万円の見積もりが最後は490万円に?」ブライダル業界の“後出し値上げ”に消費者たちの不信感 結婚式の支払価格が初回見積もりより高額になるカラクリとは

「80人で280万円」の見積もりが「85人で490万円」に

 何にそんなにかかるのか。ゼクシィの記事では、ビデオ撮影が初回見積もりに入っておらず約30万円増えた例、親の貸衣裳で約20万円増えた例などが紹介されている。料理を1人3000円上げれば55人で16万5000円。引出物も、当初は出席人数の7割で計算されていたため、追加発注で15万円増えた例もある。

 結婚式口コミサイト「みんなのウェディング」の投稿を見ても同様の構造が浮かび上がる。2016年の相談では、ゲストテーブルの装花が3000円から5000円、ブーケが1万5000円から3万円になったとの投稿がある。別の投稿者は、司会、ヘアメイク、アテンド、写真アルバム、衣装小物など約50万円分が初期見積もりに入っていなかったと投稿している。ただし、この投稿者は契約時にはそれらが見積もりに含まれていないことを認識していたとも説明している。

 2010年の別の相談では、80人で約280万円だった契約時見積もりが、最終段階では85人で約490万円になったとの投稿もある。210万円もの差が生じているが、この投稿だけでは、増額のうちどこまでが式場側の見積もりの作り方によるもので、どこまでが本人たちの選択によるものだったのかを切り分けることはできない。
 
 2022年に投稿された実費明細では、見積金額362万7096円に対し、最終金額は514万4379円で、151万7283円、41.8%増だったというものがある。ただし、このケースでは招待客が当初より15人前後増え、料理や装花、ドレス、引出物もランクアップしている。式場側も人数増と本人たちのこだわりによる変動だと返信している。つまり「差額が大きい=式場が不当に値上げした」と短絡的に考えるのは間違いだろう。それでも、投稿者自身が「最初の段階で最大限のお見積りを」と助言している点は、この問題の本質をよく示している。

初回見積もり価格に対する式場側と客の考えの違い

 もちろん、これらは利用者の投稿であり、増額分がそのまま不当請求だったという話ではない。人数増や料理、衣装のランクアップも金額を押し上げる。問題は、契約する時点で最終的な価格の姿が見えにくいことだ。そこが消費者の不信感につながる。

 結婚式費用シミュレーションサービス「mieruupark(ミエルーパーク)」を提供するウエディングパークの永井美波氏が指摘するのも、このズレである。

「会場見学のときの見積もりが、結婚式を成立させる基本的な内容を中心に作られ、打ち合わせが始まってから写真や映像、装花、衣装、料理などが増えていくことがあります。1つずつは数万円、数十万円でも、合計すると大きな差になります。お客様は最初の見積もりを『この会場で結婚式をするときの値段』として受け取ります。一方、会場側には『ここから希望を聞いて足していくスタート価格』という認識がある。この差が問題です。料理を良くすれば高くなることが問題なのではありません。何を選べば最終的にいくらになるのかが、契約時には見えにくいことが問題なのです」

「導入会場の一例では、費用を事前に可視化することで、来館率や成約率の向上につながっています。価格を早い段階で明らかにすることは、お客様の不安を減らすだけでなく、会場にとっても成果につながる取り組みになると考えています」

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