減税のしわ寄せは大衆店などに(写真:イメージマート)
飲食料品の消費税率を来年4月から2年間、1%に引き下げる方針が8月5日に、閣議決定された。止まらない物価高と、それに伴う中低所得者の負担軽減策となるはずの「食料品消費税1%」だが、この施策でダメージを受ける人も少なくないという。いったいどういうことか。【全3回の第2回】
大衆的な店ほど打撃を受ける
消費税が引き下げられるのはあくまでも「家で食べるもの」で、現在税率8%のものが対象となる。つまり、酒類と外食は10%のままだ。そうなると飲食店は「大損」する。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんが説明する。
「自炊やテイクアウトと比べて消費税分が割高になるため、客足が遠のき、レストランや居酒屋などにしわ寄せがきそうです。
またここでも所得差が影響し、日頃から値段を気にせず外食ができる高所得者は変わらず高級店に通い続け、中低所得者は外食を控えることになるので、高級店ほどダメージが少なく、大衆的な店ほど打撃を受けることが予想されます」
一方、飲食料品を多く販売する大手スーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストアなどは軽減税率が集客につながり、利益が上がる可能性がある。多摩大学経営大学院客員教授の真壁昭夫さんが言う。
「税率が下がった分、素早く値下げしたり、価格表示の改定なども柔軟にできる大手チェーンは特に恩恵が大きいでしょう。同時に税理士や会計士、ITシステム企業なども、税率変更に伴う届け出や会計システムの変更などの需要が発生しそうです。
また、大手スーパーマーケットなどでは値下げ競争となるでしょう。その一方で、価格転嫁力が低い小規模の店舗は出遅れてしまう」
