経産省が予算要求を膨脹させている(写真:イメージマート)
高市早苗・首相の「増税派パージ」人事は霞が関を震撼させたが、財務官僚たちが遠ざけられる裏で「我が世の春」を謳歌しているのが、今や官邸を牛耳る経産官僚たちだ。“省の中の省”と呼ばれた財務省に取って代わるかたちとなった経産省は、一体何を進めているのか。浮かび上がってきたのは“税金の大盤振る舞い”という内実だった。【全3回の第2回】
今年度当初予算の2.5倍に達する8兆円の概算要求
物価高騰に苦しむ国民に負担増を押し付けようとする財務省の増税派官僚が一掃され、国民は消費税減税の実施を待ちわびている。だが、代わって実権を握った経産官僚たちはすごい勢いで国民の税金を食い潰している。官僚が予算に巣食い、食い荒らしていくさまは“シロアリ”にたとえられてきた。まさに、新たに覇権を握ったシロアリではないか。
その経産省が本性を露わにしたのが概算要求だ。
高市政権の「積極財政」方針を反映して各省庁の来年度予算の概算要求は総額約143兆円と空前の規模となった。市場では財政悪化の懸念から国債が売られ、長期金利は3%を突破(9月1日)、30年ぶりの高水準だ。
とくに経産省の要求額は7兆7859億円と今年度当初予算の2.5倍に達している。補正予算分を加えた額で比べても前年から1.5倍だ。
令和9年度経済産業省 概算要求
概算要求は年末の予算編成に向けて各省庁が必要な予算の要求額を財務省に提出するもので、それをもとに財務省主計局によって予算査定が行なわれ、最終的に予算案が決定される。
だが、今年は高市粛清人事で財務省では消費税減税に抵抗した「財務省のエース」一松旬・主計局次長が東京税関長に“左遷”されたのをはじめ「積極財政」方針に従わない財政規律派の主計局次長3人が全員交代させられ、財務省の力は大きく削がれて身動きができない。それを好機と見て、経産省が予算膨脹に走り出したのだ。

