税率引き下げの隙間を突く財務省の“執念”(写真:イメージマート)
高市早苗・首相が推し進める「消費減税」の議論が佳境を迎えている。来年4月から2年間、飲食料品は1%に減税される方針で進められているが、本誌・週刊ポストは財務省の“最後の悪あがき”を示した内部資料を入手。そこに仕掛けられた“罠”とは――。【前後編の前編】
減税を牽制するような文言が散見される非公表資料
自民党税制調査会では消費税減税を盛り込んだ与党税制改正大綱の議論が大詰めだが、減税反対論が噴き出した8月初めとは打って変わって今回は反対の声はほとんど上がらない。
税制改正大綱の決定直後に内閣改造・党役員人事が行なわれるからだ。
「税調の会議で誰がどんな発言をしたかは総理に逐一報告され、人事の査定に使われる。飲食料品の消費税率引き下げは総理の既定路線だ。反対の声を上げれば内閣改造で干されるのがわかっているから、反対派はみんな口をつぐんでいる」(自民党財政規律派議員)
そうしたなか、財務省は最後の悪あがきを見せていた。
税制改正大綱の議論がスタートした8月26日の自民党税調小委員会。税制改正の具体的な内容を決める会議で、消費税率引き下げの制度の詳細はここで決まる。
財務省からは新任の植松利夫・主税局長はじめ11人の官僚が出席した。そのなかには、高市首相の“増税派粛清人事”に巻き込まれた2人もいた。次官コースの主計局次長から消費税減税担当に異動させられた吉沢浩二郎・主税局審議官と、大沢元一・主税局審議官だ。大沢氏は東京税関長に左遷された一松旬氏と同期のエリートで、主計局次長就任が有力視されながら同職に回された。「2人とも財政規律派として知られるが、消費税減税の実務を担当させられて総理への忠誠を試す踏み絵を踏まされている」(同省OB)とされる人物たちだ。
この日の会議には各省庁や業界団体から消費税減税の影響に関する非公表の資料が提出された。本誌は「門外不出」とされるそれらの資料を入手した。
【独自入手】財務省がまとめたとされるA4判24ページの資料
その一つに、財務省がまとめたとされるA4判24ページの資料がある。
表題は「資料」とだけ書かれ、経産省や業界団体提出の資料と違って作成者が明記されていないが、「財務省が作成したとされている」(財務省担当記者)という。

