「高額療養費制度」は万能ではない
【14】年金額が少なければ確定申告などの煩雑な手続きをしなくていいと思っている人も多いだろう。
「医療費や保険料の控除を受ける場合には確定申告の必要があり、控除がまったくない人以外は申告した方が得です」(岡さん・以下同)
年齢を重ねて不調が現れ医療費がかさんでも、【15】いざとなれば「高額療養費制度を利用すればいい」と考える人は多い。しかし、万能ではない。
「自己負担額がゼロになるわけではありません。入院時食事代や差額ベッド代は高額療養費制度の対象外なので、入院したら自己負担額や雑費も含めると月あたり20万円くらいかかります。大部屋なら部屋代は抑えられるでしょうが、仮に自分が長期入院するとなったら、どれくらいの質を求めるかを具体的にイメージしておくべきでしょう」
かといって、【16】民間保険で手厚く対策すればいいと考え、不要な保険に加入したまま掛金を無駄にしては本末転倒だ。投資型の保険商品も増えているものの、効果には疑問もある。
「貯蓄型の保険は資産を増やすことには向いておらず、運用機会を失うことになります。保険ではなく、自分で投資して増やすという選択もありです」(ファイナンシャルプランナーの横川由理さん)
iDeCoは受取時に元本も含めて課税対象
2024年に「新NISA」が導入されて以降、NISA口座の開設数は飛躍的に増えた。
「【17】NISA口座さえ作れば安泰、ということはありません。元本割れのリスクがありますし、インフレによる目減りを回避できないこともある」(横川さん)
NISAと並ぶ人気制度が「【18】iDeCo」。掛け金の運用方法を自分で決められるので低リスク、とされる一方、落とし穴がある。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが解説する。
「原則60才まで受け取れないため、急に資金が必要になっても引き出せません。また、NISAはシンプルに非課税なのに対し、iDeCoは受取時に元本も含めて課税の対象になります。退職金の額を踏まえ、各種控除の範囲内におさめるのかなど、運用する予算を検討する必要があります」
かといって、【19】たんす預金をしていてもお金は増えはしない。
「【20】元本割れが怖いからと投資を避ける理由はない。インフレの状況では利回りの高い国債を買うのも戦略としてありです」(横川さん)