老人ホームでの体験と妻の介護を通して再認識したこととは(平野悠氏。撮影/大塚恭義)
ライブハウス「ロフト」の創業者・平野悠氏(82)は2021年、千葉県鴨川市の高級老人ホームに入居した。施設の入居一時金は約6000万円。「最初は快適だった」という施設だったが徐々に退屈してしまい、仲間と飲みたい、映画を見たい、芝居を見たい、面白い人間と話したい、という気持ちを抑えられず、結局2年2か月でホームを出てしまった。しかし、その後の生活で待ち受けていたこととは──。平野氏が明かす。【前後編の後編】
久しぶりに自宅に戻って気づいた“妻の異変”
鴨川のホームを出ても、最初は東京の家に戻るつもりはなく、幕張新都心(千葉市美浜区)に新築中の老人ホームへ移るつもりだった。ここなら都心も近いし、楽しく暮らせるだろうと思っていたんだね。
完成までの数か月だけ東京の自宅へ戻った。ここには30年近く家庭内別居状態の妻が住んでいる。こっちの家出や放蕩が原因だから自業自得なんだが、久しぶりに自宅に戻ってみるとその妻の様子が変なんだよ。物を落としたり、階段から転げ落ちたり。何度か救急車も呼んだ。「大丈夫。なんともない」と強情をはる妻をなだめすかして病院に連れていくとパーキンソン病を発症していることが判明した。
▼▼▼前編▼▼▼
【はじめから読む→】ロフト創業者・平野悠氏の告白「私が高級老人ホームから逃げ出した理由」 「最初は快適だった」ホームで“完全に浮いた存在”になるまで
※週刊ポスト2026年8月14・21日号
