ゴミがゴミを呼ぶ(提供写真)
家の中には「大事なものしかない」
――不法投棄されるほどの場所になっていたら、地域でも知られたゴミ屋敷だったのでは。片付けはスムーズにすすんだのでしょうか?
柴田:アパート2棟の売却が決まったので、片付けて必要な物を引っ越し先へ持っていくんですが、オーナーは、「家にあるものはすべて『大事なものしかない』から、とにかく全部持っていく」と言う。普通の引っ越しのように要るものと要らないものを分別せず、大きなチリトリですくって何百という袋にすべて入れ、それをさらに段ボール箱に詰めました。袋の中には、ゴキブリやウジもそのままです。家具とあわせてトラック7台分になりました。
──引っ越し先に、それだけの荷物はおさまったのでしょうか?
柴田:搬入先は綺麗な家でした。元々何かのお店をやっていた建物だったらしく、1階の正面がガラス張りになっていました。そんなところに、ゴミ的なものも多い荷物を搬入したら、普通じゃない雰囲気が伝わってしまう。なるべく変わった人が引っ越してきたと思われないように、外から中が見えないように段ボールを積み上げて“目隠し”しました(笑)。
「目薬のキャップがない」
――外から見えないように工夫したんですね。
柴田:普通の搬入とは違う気の遣い方をして、トラック7台分すべてを新居におさめました。その後会社に戻って、なんとか終わってよかった、なんて話をしていたら、そのお客さんから会社に電話かかってきて「目薬のキャップがないから、探してくれ」と言われて。
――探したんですか?
柴田:片付けの時にはなかったけど、「見つかりませんでした」と報告しても、「どうしてもキャップが必要だ」と譲らない。よくよく話してみると、とにかくキャップがありさえすればよく、絶対に同じものでないとならないわけではなさそうでした。なので、新しく目薬を買い、そのキャップだけをお届けしました。届けた社員が言うには、「なくしたキャップとは違うけど、それでもまあいいよ」と受け取ってもらえたそうです。
