アプリ内で決済まで完結する発見型EC
「購入した瞬間がピーク」と語るAさんのように、スマホ経由で買い物すること自体に高揚感を覚える大人は少なくないようだ。
都内のカフェで勤務する女性・Bさん(29歳)は、自身が働くカフェのSNS発信をするなかで、「ショート動画中毒になった」と振り返る。
なかでもBさんの支出の中心を占めるのが、TikTok Shopだという。TikTok Shopとは、“発見型EC”などと呼ばれ、ユーザーが主体的に検索した商品を購入する従来のECとは異なり、おすすめ動画などを視聴しながら、アプリ内で直接商品の購入、決済までが完結する仕組みだ。
「最初は、TikTokでボーッと動画を眺めていただけでした。でも、配信者さんの商品紹介が上手いと、本来欲しかったものではないのに欲しくなるんです。とくに『今だけ半額』、『もう一つ無料でついてくる』なんて言われると、買わないほうが損みたいに思えてくるんですよね。
その場ですぐにPayPayで支払えるし、住所やカード情報を毎回入力する必要もない。気づいたら注文が終わっているんです」(Bさん)
「購入した瞬間がピーク」で未開封の段ボールが玄関に
Bさんがこれまで購入したものは、キッチン用品、収納グッズ、化粧品、掃除アイテム、洗剤や柔軟剤といった日用品が中心だ。
「その商品がもともと欲しかったというわけでなく、『安く買えた瞬間』『ポチって購入した瞬間』が一番ドーパミンが出ている気がします(笑)。だから、注文したこと自体を忘れていることが多くて、段ボールが届いても未開封のまま玄関に積んであったりします。
最近は、排水口がぬめらなくなるという排水口キャップを購入したんですが、家中の排水口用に4つ買ったのに、サイズを測っていなかったのではまらなかった。結局、数千円無駄買いしてしまい、自己嫌悪に陥りましたね」(同前)
従来よりも簡易的に決済が完結するようになった現在のSNS。ショート動画の商品紹介コンテンツやライブコマースが普及するなかで、一瞬の高揚感によって思わぬ出費に悩まされている大人たちもいる。
後編では、そんな「ドパおば」「ドパおじ」のなかでも、一日中スマホが手放せずに仕事や体型管理にも悪影響が出ている、という大人たちの実体験を紹介する。
▼▼▼後編▼▼▼
【つづきを読む→】日々の動画習慣から「チリツモ出費も体重も増えた」…スマホ依存状態の30代男性が実感する“ドパおじ”化の弊害