半導体株・AI株を解説する共著が話題の個人投資家・おけいどん氏(イラスト:西田ヒロコ)、半導体商社・トナリズムを経営する新川裕也氏(右・写真)
エヌビディア、TSMCなどの世界の半導体市場を牽引する巨大企業に注目が集まるが、AI・半導体への巨額投資が続くいま、その“裏側”で恩恵を受ける日本株がある。
世界の高配当株・増配株、半導体株・AI株に長期投資し資産2.7億円を築いた個人投資家・おけいどん(桶井道)氏と、半導体ビジネスの現場を知る半導体商社経営者・新川裕也氏が、知られざる日本の半導体装置株の実力と「地味だけど強い」銘柄の魅力に迫る。
個人投資家のおけいどん氏、半導体商社・トナリズムを経営する新川裕也氏の共著『3倍・5倍・10倍の神株が続出! 半導体株&AI株 投資大全』(すばる舎)より、一部抜粋・再構成して紹介する。
日本メーカーが狙う「露光装置」逆転のチャンス
半導体材料と並んで、日本企業がグローバルに強みを発揮しているのが半導体製造装置の分野です。
半導体チップの製造工程には、回路を描く露光、回路パターンを削り出すエッチング、薄膜を形成する成膜、不純物を注入するイオン注入、表面を滑らかにする洗浄、欠陥を調べる検査・計測、チップを切り出すダイシングといったさまざまな工程があります。そして実は、それぞれの工程向けの装置で、日本メーカーが高いシェアや独自技術を持っているのです。
工程ごとに具体例を見てみましょう。
回路を書き込む露光装置は、半導体製造の心臓部で、ASMLホールディング(オランダ)のEUVリソグラフィ装置が最先端分野を席巻しています。しかし、日本のニコンとキヤノンもかつて露光装置で世界シェアトップクラスを誇り、現在でも中~大型パネル用の露光機や、一部の成熟プロセス向けリソグラフィでは、なお存在感を示しています。
特にニコンは、最先端EUVこそ撤退しましたが、それ以外の分野では幅広い製品群を持ち、一眼レフカメラで培った光学技術を武器に市場を支えています。
またキヤノンは現在、ナノインプリントという革新的露光技術を持っており、これはフォトマスクのパターンをスタンプのように直接ウェーハに転写する方式です。解像度限界を打破する可能性がある次世代技術として期待されており、もし実用化されれば露光分野で再び日本勢が台頭する可能性も秘めています。露光装置の最先端競争は熾烈ですが、日本企業も独自のアプローチで食らいついているのです。
