こどもNISAの注意点とは?(イメージ)
2027年1月に始まる「こどもNISA」を前に、証券会社の顧客獲得競争が激しくなっている。しかし、子どものためによかれと思って始めた資産形成が、思わぬ問題を招く可能性もある。こどもNISAを始める前に知っておきたい落とし穴とは何か。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第210回は、「こどもNISAの落とし穴」について。
2027年1月にこどもNISAがスタートします。それを前に、証券会社各社は顧客の囲い込みに必死です。SBI証券は、信託報酬ゼロの全世界株式インデックス投信「ゼロカン」をこどもNISA限定で運用すると発表し、楽天証券も同様の投信を出す構えです。コストゼロは確かに魅力的ですが、こうした派手なキャンペーンに流される前に、じっくり考えておきたい落とし穴があります。今回は、あまり語られない2つの注意点を解説します。
18歳で成人NISAに移行したとき、大金が子の管理下に
こどもNISAは、子どもが18歳になると成人のNISA口座に引き継がれます。ここで考えてほしいのが、そのときいくらになっているか、です。
たとえば、子どもが0歳のときから毎月5万円、年間60万円を10年間積み立てたとします。元本は非課税枠の上限の合計600万円。これをオルカン(全世界株式)で運用し、積み立て終了後も引き出さずに放置して、18歳を迎えたとしましょう。この資産が2000万円になるには、年率9.3%程度での運用が必要です。
オルカンの過去の長期平均リターンは、配当込みでおおむね年7~8%とされます。9.3%はそれよりやや強気な数字で、2000万円は誰でも実現できる金額ではありません。とはいえ、相場次第では決してありえない数字でもない。実際、ここ十数年の世界株は平均を上回る好成績の時期も多くありました。もし、うまく波に乗れたら――。そう考えると、18歳で2000万円という未来も、絵空事とは言い切れないのです。
さて、ここからが本題です。仮に2000万円まで増えたとして、成人向けNISAに移行すれば、そのお金は完全に子ども本人の管理下に入ります。つまり、18歳の子どもが、親の同意なしに自由に引き出して使えるお金になるのです。
18歳で2000万円を手にすることが、その子にとって本当に良いことなのか。学ぶ意欲や働く意欲にどう影響するか。使い道を誤らないか。お金を増やすことばかり考えて、この視点が抜け落ちているケースは少なくありません。大金はときに、人生の歯車を狂わせることもあります。
