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葬祭のプロが考える「これからの葬儀」
葬儀業界のジェネレーションギャップ

「尊敬できる人がいない!」葬儀業界歴30年の氷河期世代が見たバブル世代社員たちのトンデモ行状「きちんとした身だしなみのワケは…」【葬儀業界のジェネレーションギャップ】

就職氷河期には葬儀業界にも大卒がじわり増加

 その後、現場の中心を担うようになったのが、私を含めた氷河期世代です。氷河期世代とはおおむね1970~1982年生まれ、現在43~56歳。この世代は第二次ベビーブーム世代も含まれるため、人数が多いのが特徴です。大学も今のように“全入時代”ではなく、進学率は2~3割台。激しい受験競争を経て、バブル崩壊後の厳しい就職環境を経験しています。企業が採用数を急激に減らしたため、学生は有名ではない業界や企業も就活対象としたため、葬儀業界でも大卒で新卒のスタッフが増え始めました。

 この世代が増えてよかったことは、業界内でマニュアル化・標準化が進んだことでしょう。

 バブル世代までは、「属人的なやり方を見て盗め」という文化でした。「職人技の継承」と言えば聞こえはいいのですが、単にスキルを言語化する能力がなかっただけと私は思っています。私が入社した30年前はマニュアルが全く無く、式場のイスの並べ方から受付のペンの置き方といったことまで、先輩のAさんのやり方をまねるとBさんから「それは違う」と怒られ、「下っ端は先輩全員のパターンを覚えないといけないのか?」と途方に暮れていました。従業員が数名の零細葬儀社ならそれでも現場は回りますが、数十名規模になると、スタッフごとにやり方が違っていては混乱が生じます。

 氷河期世代に増えた大卒社員は、体系的な勉強法を知っているうえにPCが使えたので、自分たちが一から習得したスキルを言語化し、社内で共有化し、後輩に伝え始めます。2000年から2010年にかけて、業務の手順や教育方法が標準化されていきました。

 労働環境は相変わらず長時間の不規則労働で劣悪でしたが、氷河期世代は正社員になれず苦労している同級生が結構いたため、「正社員の身分を得ているだけでもありがたい」という空気でした。その後、ゆとり世代が入社し、先輩として指導する立場になります。

 後編では、気質が近いはずのゆとり世代とZ世代に対し、私がなぜ正反対の評価をするのかを解説します。

▼▼▼後編記事▼▼▼
【つづきを読む→】マニュアル化を進めた就職氷河期世代から遺族への対応力を高めたゆとり世代、その流れを引き継げなかったZ世代の悲劇

【プロフィール】赤城啓昭(あかぎ・ひろあき):1級葬祭ディレクター。葬儀業界歴約30年。運営する「考える葬儀屋さんのブログ」は月間45万PVを達成し、ライブドアブログ OF THE YEARを受賞。近著に「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」。テレビ、新聞、雑誌、YouTubeなどでも葬儀現場の正しい情報をわかりやすく発信中。
ブログ:https://kangaerusougiyasan.com/
YouTube:https://www.youtube.com/@kangaerusougiyasan

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