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帝国データバンクが「倒産の兆候」を見て取るポイントとは

てるみくらぶ経営破綻の“兆候”をキャッチしていた帝国データバンク

てるみくらぶ経営破綻の“兆候”をキャッチしていた帝国データバンク

 今年3月、151億円もの莫大な負債を抱え、旅行業界では過去4番目の大型倒産となった「てるみくらぶ」の経営破綻。実は同社は3年前から大幅な赤字に陥り、粉飾決算で黒字を装い、銀行や税務署など提出先ごとに異なる決算書を作成していたことが明らかになっている。

 極めて杜撰な経営だったといわざるを得ないが、事前にその“兆候”をキャッチしていたのが、企業を調査する「帝国データバンク(以下、TDB)」だ。同社情報部は、企業が倒産した際の負債状況などを記載したレポート『倒産速報』を発表しており、てるみくらぶが自己破産申請を東京地裁に提出した日の速報には、TDBが掴んでいた兆候がしっかり記されていた。TDB東京支社情報部情報取材編集課副課長の内藤修氏が解説する。

「売り上げが2011年9月期の134億円から2016年9月期の195億円へと増加するなか、TDBでは対面販売や添乗員の増員等で人件費が増加していたことや、積極的な広告出稿に伴う販管費用負担増、円安の影響による利益率の悪化などを把握していた。それは破産申請当日の倒産速報にも記した通り。余裕のない資金繰りが続いていると見ていました」

 そんなふうに独自情報を収集するTDBのノウハウが紹介された書籍『あの会社はこうして潰れた』(日本経済新聞出版社)が10万部超えという異例のヒットとなっている。著者の藤森徹氏は、発売直前に亡くなっているが、TDB東京支社の前情報部長。前出の内藤氏はその後輩にあたる。

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