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阪急うめだ本店、アパレル不況の中で婦人服売り場大躍進の秘密

「年齢にとらわれず、嗜好性を重視した売り場づくりを目指しました。従来、年齢が上がるごとに可処分所得も上がり、高級な服を購入するというのが基本的な考え方でした。ですが、『定番』『現代的』『前衛的』といったファッション・アティチュード(価値観)に、年齢は関係ないという結論に至ったのです」(佃氏)

 3階では最新の「モード」ファッションを提案し、自主編集売り場の「D.エディット」、「D-ラボ」を配置。また、ヤングブランドを集積した「シスターズクローゼット」を展開。4階にはオフィススタイルやドレスアップなど、シーン別の服を提案する売り場を設けた。特徴的なのは、ブランドの壁を取り払い、お客が出入りしやすいレイアウトにした点である。

「全身を1つのブランドで揃えるという人はほぼいません。それなら効率よく買い物ができる売り場の方がお客様は便利ですよね。以前はオフィススタイルの服を探す際、各ショップを回らないといけませんでしたが、『オフィススタイル』というコーナーを設けて、複数のブランドからテーマにあった服を集約しました。

 同時に百貨店の販売員を常駐させて、お客様がブランドを意識することがないトータルコーディネートの提案も始めました」(佃氏)

「デパート側の都合や取引先の都合は、お客様には関係ない」

 婦人服売り場全体が巨大なセレクトショップへと変貌を遂げたのだった。だが、革新的な売り場にはブランド側からの反発も少なくなかった。

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