住まい・不動産

「住みたい街」にランクインした有楽町、本当に住めるのか?

 交通面に関しては何の不満もありません。有楽町駅にはJR山手線と京浜東北線が走り、1駅移動すれば、お隣は日本の交通の中心・東京駅。東京メトロ・有楽町線の有楽町駅のほか、銀座線、日比谷線、丸ノ内線、都営三田線などもごくごく近くを通っており、都内の移動には何の問題もありません。日比谷、銀座、銀座一丁目など、駅が密集しているので、目指す場所によって駅を上手に使い分ければ、都内の移動でストレスを感じることはないでしょう。

 一方、道路状況に関しては、交通量が極めて多く、車移動にはまったく向いていません。鉄道で不便な方面にはバス路線が伸びているので、それらを組み合わせればマイカーは不要でしょう。

そもそも物件がない?

 ここまではマジメに有楽町の実力を見てきましたが、この街が“住む街”なのかと言えば、大いに疑問があります。確かに駅の近くには小学校があり、ランドセルを背負った児童が有楽町駅前を歩く姿を見かけます。しかし、よそ行きのお買い物とオフィスが基本のこの街では、日用品や晩御飯のおかずを買うのに苦労するのは目に見えています。

 そもそも物件がありません。国際フォーラム側は完全にオフィス街ですし、日比谷方面も似たようなもの。同ランキングを調査したSUUMOの賃貸情報を見ると、東京駅でも1500件以上、銀座駅でも800件以上の物件が掲載されているのに、有楽町駅は100件しかありません(12月1日時点)。

 それでもこの街が「住みたい街ランキング」の32位にランクインしたのは、このランキングのアンケート方法が関係していると思われます。「SUUMO」が行っている住みたい街ランキングは、まず「住みたい沿線」を選んだ後、「住みたい駅」を選んでもらうという方式。いきなり「有楽町」と回答する人は少ないでしょうが、有楽町線を選んだ人が駅名をパパっと見て「有楽町」と答えたのなら、まあ納得できます。

 なお、駅周辺は、5分も歩けば別の駅が最寄り駅になるような地域。SUUMOの賃貸情報では、有楽町駅が「最寄り駅」になる物件は、1件もありませんでした(明らかな入力ミスのものを除く)。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。