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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

就活で「向いてもいない業界」を勝手な自己分析で受ける学生の残念さ

自分に本当に向いている業界はどこか?(合同企業説明会の様子。写真:時事通信フォト)

 大学生の就職活動が開始し、もうすぐ4年生になる学生は就活対策としての「自己分析」を必死にやっている時期かもしれない。だが、「自己分析なんてやっても無駄」と語るのは過去に広告代理店で採用活動に携わり、さらに最近でも毎年学生から就活の相談を受け続けているネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。同氏は自己分析により学生が「憧れ」を基に自分を作り上げ、まったく向いていない業種の就職活動に時間を割き過ぎ撃沈する様を何度も見てきたという。

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 自己分析ってバカな行為ですよね。

 だって、学生がやっている自己分析なんて「結局は自分の行きたい業界と自分が合致する部分を都合よく言葉にする」行為なんですから。しかも、「業界研究」にしたって、まったくもってして的外れなものばかり。

 なんですか、広告業界を志望する方々の「私は、サークルの幹事長として、大学当局とメンバーの間の折衝をうまくすることを心掛けました。広告会社の社員は、クライアントと社会の間を橋渡しする役割を果たすので、私のこの“両側を見渡す力”は御社に役立つはずです」みたいな自己分析は……。

 ぜーんぜん違う。広告の仕事は「カネをくれる客の言うことに従う。ただし、社会の空気とまったく違っていたら諫言はする。でも、基本は客の熱い思いをなんとか社会に対して好意的に思わせたい」というものです。

 とにかく、学生の浅い知識で無理矢理自分がその業界に向いているように合わせるのは無理です。そんなことよりも、その業界の人に会って「私は向いていますか?」と聞くのが一番手っ取り早いです。それができないんだったら、その業界に行くほどの熱意はないってことですね。会いたい人に会うことなんて、この世の中簡単なことですよ。それができないのは、「できない理由ばかり挙げる無能」ということです。

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