中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

就活で「向いてもいない業界」を勝手な自己分析で受ける学生の残念さ

広告業界の人間に必要な要素とは

 さて、ここでは私が過去に会った「その業界に合わないにもかかわらず、無駄にその業界に行く努力をする就活生」について書きます。正直、人間なんてものは「向き不向き」があります。私なんて広告代理店→雑誌ライター・編集者→ネットニュース編集者というチャラい道を歩んできたため、真面目な業種に身を置くことがどうにも耐えられない。

 ネクタイしたくないし、ハンコなんて押したくないし、満員ラッシュの朝8時30分とか9時が定時の会社なんて行きたくない。これらをやるぐらいなら、貧乏なフリーライターでぬくぬくと過ごしたいものです。

 選ぶ業種というものは「向き不向き」があります。前段落はかなり低レベルの事例を挙げましたが、この程度のもので人間の向き不向きというものは決まっていくものなのです。そんな中、過去にOB訪問で会った学生・A君は「自分は広告業界に行くべくして生まれた人間だ!」という思想を持っていました。

 A君は朴訥な男性で、本当に心がきれいな男でした。彼と会って話をしたところ、広告業界への熱意は伝わるものの、業界に存在する「忖度」やら「下請けに押し付ける」「クライアントの宣伝部長の権力が絶大」「大手広告代理店が下請けからピンハネをしている」といったえげつない慣習に耐えられるだけの腹黒さは持っていないと感じられました。

 また、もっと言うと、広告業界の人間には「口のウマさ」「イケメン・美女」「ノリの良さ」「根性」のどれかが必要です。A君にはこれら4つのいずれもありませんでした。とにかく「誠実」「朴訥」の2つしかないような学生だったのです。

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