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公的年金に頼るのはNG “生活保護レベル”のお金しかもらえない

年金で節税しよう

 手取りを増やすための“自分年金”として、大村氏は「確定拠出年金(iDeCo)」のメリットを理解しておくことが大切だと指摘する。

「確定拠出年金は、加入者が60歳になるまで毎月一定額の掛け金を自ら選んだ金融商品に拠出する制度です。もともと自営業者や中小企業のための制度でしたが、2017年の制度改正でサラリーマンの大半も加入できるようになった」

 確定拠出年金は、基本的に金融機関が用意する金融商品のなかから自分で運用先を選択するだけ。資産運用が苦手な人には、ほぼ元本が保証された商品もある。

 金融商品への拠出というと“運用益で儲ける”との印象を抱きがちだが、iDeCoの最大のメリットは「節税効果の高さ」にある。

「確定拠出年金の掛け金は全額所得控除となります。所得税や住民税が非課税なので、1万円を積み立てると、2000~3000円の節税にもなるというイメージです」

 年収約600万円(課税所得400万円)のサラリーマン(※勤務先に企業年金等がない場合)が、上限金額の毎月2万3000円を積み立てた場合、所得税と住民税が年8万4000円軽減される。10年間で84万円の節税だ。ローリスクでそれだけ老後資金を増やせる方法はなかなかない。

「しかも運用益にも税金がかかりません。さらに、支払い終了後に一括で受け取ると『退職所得控除』が適用されて、相当な金額になっても税金がかかりません。確定拠出年金は、節税しながら老後資金を貯められる心強いツールなのです」

 サラリーマンが個人で確定拠出年金に加入する場合、勤務先の状況によって加入条件が異なる。

「例えば、勤務先が確定拠出年金に加入しているかどうかで、加入条件や限度額が変わります。詳細は、会社の総務部に問い合わせれば教えてもらえます」

 自営業者の場合は、確定拠出年金に加えて、「国民年金基金」と自営業者の退職金代わりにつくられた「小規模企業共済」がある。

「いずれも掛け金が所得控除の対象となるので節税効果がありますし、掛け金の上限にもほぼ差がありません。国民年金基金は少ない掛け金でも終身年金が受け取れるのでコストパフォーマンスが高く、一方の小規模企業共済は60歳になる前にお金が引き出せるといった柔軟性がある。メリットとデメリットに応じて選んでほしい」

※週刊ポスト2018年6月22日号

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