キャリア

先生を悩ませる「イマドキ運動会」の事件簿 ビデオ判定要求も

 ここ数年、Mさんの学校では、保護者が子どものクラスの色(1組は赤、2組は黄色、といった具合)に合わせた服を着るのがプチ流行中だとか。運動会が始まるまでにすでに大騒ぎだが、本番でも当然トラブルは頻発する。別の小学校の男性教諭・Rさんは、2~3年前にこんな“事件”に遭遇したそうだ。

「徒競走で負けた子の親が、『今のはフライングだ!』と、怒鳴り込んできました。当日は卒業ビデオのクルーが撮影をしていたため、ビデオ判定を要求したのです。体育教師が毅然とした対応をしたため、すんなり引き下がりましたが……。クラス対抗リレーで抜かれてしまった子が、その後、登校拒否になってしまったこともあります。2週間ほどしてその子は登校するようになりましたが、もともとクラスで中心的な子だったのに、すっかりおとなしくなってしまったのは気の毒でした」(Rさん)

体育主任のサングラスが「怖い」とクレーム

 運動会当日には、グラウンドの外でも問題は起きるという。Rさんはこんなエピソードを教えてくれた。

「5月といっても晴れれば暑いので、女性は日傘を使う方が多いのですが、数年前、日傘を巡って保護者同士の間でトラブルが発生しました。『カメラで撮ろうとしたら、日傘が邪魔した』というようなものです。体育主任は、その場で日傘禁止を命じたのですが、その主任がサングラスをかけていたため、運動会後に『怖い』『サングラスはいかがなものか』という声が寄せられ、それ以来、保護者の日傘も教師のサングラスも禁止になりました」

 これだけトラブルが起こればもうお腹いっぱいだが、運動が終わってもまだまだ頭痛の種は尽きない。前出・Mさんが語る。

「ウチの小学校では、保護者によるカメラやビデオ撮影は“肖像権の問題”で禁止です。代わりにプロのカメラマンを手配し、“公式カメラマン”が撮影した写真を販売しますが、写真1枚1枚について、写っている生徒の許可を取ります。顔が切れている子がいると、その写真は基本的に使えません」

 写真の確認作業などは、すべて先生たちがやっているのだとか。ちなみにRさんの小学校では、運動会後に教員総出で打ち上げが行われるのが恒例だが、達成感からか「やたらと盛り上がる」そうで、疲れと興奮から泥酔する先生が毎年必ず出るという……。

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